ウェブサイトにおいて機能やページの表示速度と同じくらいビジュアルデザインは重要ですし、ビジュアルデザインがより良いユーザー体験の提供に繋がることもあります。以前 Googleのデザインガイドライン10項目を紹介したことがありますが、この中に「魅力的」「美しい」といったビジュアルデザインに関係したキーワードがあるのは気になりますね。Google はビジュアルデザイン以外の部分(例えばシンプルさやスピード)を徹底的に追求することで高いユーザー体験を提供しているサービスというイメージがあります。
しかし、そういったイメージを覆すかのように、ここ 1,2年はビジュアルデザインにも力を入れていますね。例えば Analytics や Docs のビジュアルはミニマムではありますが、非常に洗練されていて魅力的です。先週 Gmail が複数のテーマを提供し始めましたが、これも Google はビジュアルにも力を入れているという表れなのかもしれません。今までなかったのも不思議だと言わている機能ではありますが、同時に気になる点もあります。
まず、Analytics, Docs におけるビジュアルデザインと Gmail のテーマ提供は少し違います。Gmail のテーマの提供はあくまでカスタマイズの一環としてであり、Gmail の機能をより引き出すためのビジュアルデザインとはいえないでしょう。どちらかというと、利用者により近い関係を作るパーソナライズ機能であり、利用者の感情へ響く部分といえます。
もちろん、エモーショナルな部分へ訴えかけることはデザインにおいて大変重要な部分であり、テーマを提供する理由として十分です。しかし、シンプルで早いという Google を連想させるキーワードとスキン変更という機能はマッチしていないかもしれません。
Google は未だにビジュアルアイデンティティをロゴ以外は持っていない気がします。ビジュアルデザインの好例として紹介した Analytics や Docs は、共通したビジュアルが多少見られるものの、同じビジュアルとは言えないですし、他のサービスを見てもバラつきがあります。Apple, Microsoft などは UI やルック&フィールを見ただけで分かるというブランドがありますが、Google にはシンプルとスピードのみでビジュアルで分かる部分が少ないです。むしろビジュアルはあまり良くないけど使えるみたいなネガティブな傾向のあるブランドは残っています。こうした中、いきなりスキン変更機能というのは余計 Google というブランドが見え難くなるような気がしますね。
むしろ統一した見た目で Google ブランドを伝える必要はないという割り切りかもしれませんが、サービス間でもう少しルック&フィールは統一したほうが良いと思います。そうすることで、Google の API を利用したサービスも Google が提案しているビジュアルガイドラインを基に開発する可能性もあるわけですし、API そのものが素晴らしいだけでなく、Google APIを利用しているサービスはどれも使いやすくて見やすいというイメージも定着するかもしれません。

2008年11月27日 8:53
このエントリ同意見です。特に下記。
『Google は未だにビジュアルアイデンティティをロゴ以外は持っていない気がします。』
これから様々なサービスが出てきて同時にU/Iやルック&フィールの方向性がまとまっていくのかも知れません。そしていずれGoogle ブランドのトーン&マナーが形成されていくのでしょうか。
それとも割り切りというか、敢えてApple, Microsoftのように統一に向かわず、サービスごとのルック&フィールは野放しで行くのでしょうか。
このあたりすごく興味があります。
2008年11月30日 6:34
ちょっとズレますが、たしかワンデンさんがブランドコミュニケーションに携わってますね。「Google で、できること。」のこの緩い線画のキャラはGoogleのキャラとして世界中で使われているそうですな。
Google で、できること。
http://www.google.co.jp/intl/j.....earchtips/
2008年12月1日 12:52
@tazuke
サービスも途中で終わったり実験としてリリースしたりと、走りながら決めて行く感じが Google にはするので結果的にこうなっているのかもしれません。ウェブらしいアプローチといったらそうかもしれませんが・・・。 デザインガイドラインも公開しているわけですし、Yahoo (US) のように UI ガイドラインが今後出るのか興味があります。
@bookslope
情報ありがとう!知りませんでした。
iGoogle のウェブ広告あたりからこういったアプローチが増えてきたなというイメージがありましたが、世界中で使われていたとは。この辺はローカライズしても良いような気がするけど、日本にも合うテイストなのかな。