Webサイトはまったく同じ見た目である必要はない

2008年5月5日 2:42 pm

Do websites need to look exactly the same in every browser? (Webサイトはすべてのブラウザでまったく同じように見えていなくてはいけないのか?)

リンクをクリックすると答えが分かるのでぜひどうぞ。去年の暮れから今年にかけてこんな長い URL を使った一問一答系ページが増えており火曜日かどうかクリスマスかどうかTwitterが落ちているかどうかパリス・ヒルトンは刑務所にいるかどうか自分はスゴいかどうかなどたくさんあるみたいです。

最初に紹介した「Webサイトはすべてのブラウザでまったく同じように見えていなくてはいけないのか?」は、Web標準デザインテクニック即戦ワークブックの著者としても知られている Dan Cederholm さんが作ったページ。実際 複数のブラウザで確認すると、見た目が若干違ったりします。

レイアウトが崩れていても良いという意味ではないですが、若干の見た目の違いは『仕方ない』ではなく『当然のこと』だと思います。異なる環境が構築されているパソコン上で異なるブラウザを使っているわけですし、OSもしくはブラウザにカスタマイズがされていればさらにバリエーションも増えるでしょう。ディフォルトだといってもパソコンメーカーごとに何かしらのカスタマイズがされている可能性があるので、純粋にディフォルト環境というものはないかもしれません。利用者側もコントロールが出来るわけですから、Webらしいといえば Webらしいわけですね。

スタイルシートスタイルブック 2 でも紹介したことですが、最大公約数みたいな考え方で古いブラウザとまったく同じ見た目を新しいブラウザに対しても提供することもないのかなと思います。新しいブラウザを利用している方には、それだけ良い体験を提供出来るわけですし、新しいから良いんだと感じてもらうためにも進歩的な見た目の違いは必要だと思います。最近では JS ライブラリで解決出来るものも幾つかありますが、セレクタの使い方をさらに工夫したり text-shadow や opacity といった属性も使える場所に使って行くべきでしょう。

誰でも情報がアクセス出来るようにするのも Webサイトデザインにおけるひとつのミッションですが、それだけでなく見た目だって大事です。ただその見た目のアプローチを紙と同じではせっかくの Webを使っている意味もないかもしれません。過度に見た目が違ったら利用者もクライアントも戸惑うかもしれませんが、ちょっとしたスパイスを新しいブラウザに対して加えることが体験の向上につながることもありますし、新しいブラウザのポテンシャルをフルに引き出すきっかけになるでしょう。

Google検索がすごい理由から分かること

2008年4月28日 6:57 pm

99年頃に Google をみたときは「おいおい、いまさら検索ってないだろう」と最初は思いました。当時はポータルサイト真っ盛りでどこも検索サイトやディレクトリをもっていたので、これ以上あっても仕方ないと感じたわけですが、当然のことながらその考えは大きな間違いだったと後に気付くことになります。他のサイトで見つからなかった情報が Google で見つかるなんてことが当時はよくありました。結果的に今でも最初に検索するのは Google だったりします。

Google 検索が他より優れた結果を出していたのは、すぐれたアルゴリズムがあったからなのかもしれませんが、それより重要なことは、従来の検索の概念と正反対のアプローチをとったところです。手動のディレクトリ制作や登録サイトといったオーソリティと呼ばれるサービスや企業が正しいと思う情報を表示させていたのに対して、Google は被リンク数を情報の精度のヒントに使いました。非リンクとはつまり普通のインターネットユーザーが付けたレコメンデーションと考えても良いでしょう。一部の人たちによって決めていたものを大衆に任せたところが大きなシフトチェンジだったといえます。

産業革命から変わらないアプローチ

現在のような新聞が登場したのは産業革命以降のヨーロッパで、日本も1872年なのでだいたい同じ頃だといえます。たくさんの方に新聞を届けなくてはいけないので、流通が必要ですし取材して記事を書く人以外にもマンパワーとコストがかかります。大掛かりなものが必要だったわけですから、産業革命に新聞が生まれたのも頷けます。コストもかかるので誰もが新聞のように情報を発信することは出来ません。しかもページ数が限られているので情報発信側も情報を精査したり、ある程度のコントロールを行うことはあるでしょう。

従来の情報の流通

出版だけでなく、今マスメディアと呼ばれているものは上図のようなモデルだと思います。もし大衆が何か情報を発信しようと思っても一旦企業/サービスの精査があった上で発信されると思います。長く流通を保持していることもあり、リーチは確実かもしれませんが、大衆がダイレクトにメッセージを伝える機会は限られていますし、基本的に受け止めることしか出来なかったわけです。

このモデルは今でも根強く残っていて、ネットが流通した現在でもこの産業革命以降あまり変わっていないモデルをネットで適応させようとしているケースを見かけたりします。

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デザイナーといってもいろいろです

2008年4月25日 7:10 pm

今月も再び百式の田口さんが主催の勉強会に参加してきました。今回はなんと「デザイン (全般的なデザインというより Webに特化していたかと)」がテーマでした。テーマがテーマなのでポッドキャストで対談した種村さんにもご一緒してもらい、開発者、デザインしている人合わせて 20人くらいが集まりました。エンジニア、プログラマー(デザイナー以外の視点ですね)からデザイナーに向けて質問というのがメインでしたが、受け答えるデザイン系の方が 4人だったのでもう少しデザイン系の方が多かったらいろんな意見が聞けたのかもしれません。

幾つかあがった質問をみて感じたのが、装飾という意味でデザインを捉えている方は少なくないなという点。種村さんが「絵はイラストレーターという方がやっていて、デザイナーはどちらかというと情報を整理したり、見えないものを引き出すような仕事」みたいなことを言っていて正にそのとおりだと思いました。もちろん絵が描けたらそれにこしたことないですし、実際出来るデザイナーさんもいますが、絵やアイコンが作れるのがデザイナーに絶対必要なスキルかといったらどうなのかな。

それより必要なのはクライアントや同僚とコミュニケーションをとってどう具現化する能力でしょう。2月の集まりでもプログラマー VS. デザイナーが少し話題になりましたが、今回の集まりで挙った質問の中にはデザイナーだからどうこうというより、その人の性格によるような気がします。具現化する際に必要な道具やスキルは仕事をしながら覚えて行けるわけです。いつも自分がもっているスキルセットだけで判断して「出来る、知らないからやらない」だと話し難いでしょうね。その仕事をすることによってさらにステップアップするんだという向上心と好奇心はデザイナーをはじめ誰でも必要なことでしょうね。

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Leopard最強アプリは辞書

2008年4月23日 2:11 pm

辞書アイコンMac OSX Leopard には様々な魅力的な機能が実装されていて、使えば使うほどその良さが分かるという印象がありますが、その中でも特に素晴らしいのが辞書です。ディテールにこだわった美しいアイコンも素敵ですが、これぞ Mac OSX を使っていてよかったと思えるアプリケーションです。前のバージョンにも辞書はありましたが、英語版の辞書をそのまま乗っけただけ(つまり英英辞典)なので使い物になりませんでしたが、今回は英和はもちろん大辞泉、和英、ウィキペディアも実装されています (環境設定から英英辞典の表示を On に出来ます)。日本スタッフの気合いの入れ方が違いますね。

辞書は Spotlight と同様インクリメンタル検索なので、文字を入力しはじめたらすぐに結果が出てきます。結果は説明文も含めてすべてリンクになっているので、言葉を次々と辿って行くのも容易です。ウィキペディアも他の記事へのリンクだけでなくすべてにリンクが貼られており意味を調べることが出来ます。普通の辞書・辞典だけでなく Apple というカテゴリもあり、関連製品やアプリケーションの説明を読むことが出来ます。Mac を使い始めたばかりの方にはありがたい情報源ですね。

辞書のスクリーンショット

辞書を利用出来るWebサイトは幾つかありますが、広告やナビゲーションなど情報のノイズが多く辞書本来の使い方から離れているような気がします。すぐそこにあるシンプルなアプリケーションという意味でも辞書は良いなと思いますが、それくらいではわざわざこのサイトで紹介しません。辞書の真価は他のアプリケーションとの連携にあります。

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今必要とされている『IT』

2008年4月22日 2:42 pm

IT (Information Technology) はみなさんにとってどういった意味をもつ言葉でしょうか。効率的に情報を行き来させる技術の総称と説明することが出来ます。「IT革命」という言葉のようにバズワード化してしまった部分もあるので、逆に意味が分からない怪しい領域に見られている可能性もなくはないでしょう。未だに IT 業界と呼ばれるところはどうも別世界に見られているような印象もあります。

技術を見えなくする

技術という言葉があるので確かに技術的なことではありますが、人に使ってもらうものを作るために技術だけで簡潔した例は今までありません。今のケータイ・インターネットの火付け役になった i-mode にせよ、新しいゲームプレーを提案した Wii にせよ、最新の技術を使ったわけでもなければ、ほとんどの方が技術をきちんと理解して利用しているわけではないです。技術中心ではなく、人を注意深く観察した上で、それを解決するにはどういった技術が必要だろうと考えた結果に出来上がったもののようにみえます。

本当の意味で普及するものというのは技術は「見えない」存在になっているのかなと思います。Google でもそうです。アルゴリズムをきちんと理解している方はほとんどいないですし、どのように検索ボットがサイトをインデックスして検索クエリーを引き出すことは分からないです。仕組みが分からなくても人は検索するなら Google にアクセスしますし、欲しい情報が見つかるかもしれないと期待して訪れるわけです。以前 Google のデザインガイドラインを紹介したように、非常に複雑な技術を見えなくするために、使ってもらう人へのケアや観察が不可欠なわけです。

たとえ言葉に技術が入っている IT にしろ、技術中心ではなく人の生活をよりよくするためのソリューションを提供するために適切な技術を提案出来るようにならなければいけません。よりよくするというのは一概に効率化や合理化という言葉に入れ替えることは難しいです。よく仕事やコミュニケーションで使われているアプリケーションを見てもまだまだ技術中心で作られているものは多いです。しかも、その技術に人間が合わせるかたちで使うものも少なくありません。技術と人間の関係は逆でなければいけません。人間に技術が合わせないと。

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About

東京在住の「デザインをする人」長谷川恭久の個人サイトです。

2008年2月より、新しい CMS を利用して再スタートしました。以前の記事はこちらのエントリーリストを。そして、たくさんの方に読まれた人気記事が読みたい方ははてなブックマークの注目エントリーを参考にしてください。

Feedbacks
  • ヤスヒサ: @hiloki イベントのレポートと か参考にさせてもらっ ています。 指摘されているとおり 「若干」を昔は許容範 囲ではなかった...
  • ヤスヒサ: @furoku Voxで書かれていた記事 も読ませてもらいまし た。Google をひとつのフィルタと して利用するというの はおもしろい...
  • hiloki: 最近考えてることと、 このエントリがマッチ したので思わずコメン トです。 1年以上前はあらゆる ックを駆使してブラ ザ間の...
  • 石橋: いやー、素敵なグラフ ィカル・ランゲージで すね>絵
  • furoku: ここに来てのこういう 整理って、なんだか次 の検索エンジン(の仕 組み)への前触れてき なものかなぁと。 Yahoo!のディレク...