コンテンツタイプの理解と分類のコツ

様々なコンテンツタイプがあるにも関わらず、CMS では「本文」という大きな枠にまとめて入力することがあります。コンテンツの果たすべきゴールに応じてきちんと分類することで、マルチデバイス・マルチプラットフォームに向けて、きめ細かなコンテンツ配信がしやすくなります。

コンテツタイプの把握が不可欠な理由

コンテンツモデルの基礎と活用メリットで、コンテンツをひとくくりにまとめるコンテンツタイプを紹介しました。コンテンツタイプには、ニュースリリース、レビュー、レシピ、チュートリアルなど様々な種類があります。これらがどのような項目で構成するのか考える前に、そもそもどのようなタイプのコンテンツが制作・管理されているのかを知る必要があります。

様々なコンテンツタイプがあるにも関わらず、CMS では「本文」という大きな枠にまとめて入力することがあります。カスタムフィールドやプラグインで解決するといった方法もありますが、五月雨式に項目を増やすよりコンテンツタイプごとに設計できたほうが維持・管理がしやすくなります。

CMS の設計のためにコンテンツタイプを把握するのも目的のひとつですが、それだけではありません。様々なコンテンツタイプがひとまとめで管理されていることのデメリットをクライアントに理解してもらう必要があります。コンテンツタイプ幾つか用意することで、構造化されたコンテンツが作りやすくなるだけでなく、利用者に関わる以下の課題の解決に繋がります。

利用者の期待

情報をただ分類すれば良いというわけではないのがコンテンツタイプの難しいところ。コンテンツがきちんと分類されていたとしても、ニーズに応えていなければ機能しないことがあります。利用者やコミュニティがもつ独自のニーズに合わせたコンテンツタイプを特別に設ける場合があります。

例えば文房具を販売にしているサイトであれば、製品情報を細かく入力できることはもちろんですが、利用者が主に法人であれば、一般消費者向けの製品情報にはない独自の項目を追加するべきでしょう。

業界の文法とのギャップ

業界として決まった言い回しや分類の仕方があるとしても、それが利用者の捉え方と同じとは限りません。赤ん坊向けの玩具の販売をしている場合、「赤ん坊」だけではキーワードとして不十分です。「赤ちゃん」「ベビー」でも見つかるべきですし、製品によっては「子供」「キッズ」も必要かもしれません。近年「マタニティ」という言葉を耳にするようになったところから分かるとおり、時代によって言い回しが変わることがあります。

製品管理システムで使われている言い回しが利用者が使う言葉と同じとは限りません。こうした双方のギャップを埋めるためのフィールドが用意になる場合があります。アレルギー性のある素材の有無や利用シーンなど、仕様としてまとめるのが難しいものも、利用者の視点や言い回しを考慮して編集が必要になることがあります。

必要になるコンテンツタイプの決め方

サイトマップを眺めたり、ひとつひとつ画面を観覧しているだけではコンテンツタイプを把握することは難しいです。そこでコンテンツ・インベントリーを活用するわけですが、これでも不十分なことがあります。コンテンツオーナーとの話し合いをすることで、管理者側が必要とする項目が見つかることがあります。以下のような質問は、新たなコンテンツタイプを作る際の判断材料になります。

なぜこのコンテンツが存在しているのか?
管理側の都合であるのか?それとも利用者の特定のニーズに応えるために作られているのかを聞き出します。
そのコンテンツの目的は何か?
明確な目的があるコンテンツは、ひとつのコンテンツタイプとして設計できる可能性があります。目的が不透明なものは、今後も維持・管理を続けるべきか判断が必要になります。
誰がコンテンツを作るのか?
ひとつのサイトのコンテンツをひとりの担当者が作るとは限りません。誰が何を担当をしているのか。どれくらいの人が CMS に触れるのかによってコンテンツタイプの項目の詳細度が変わることがあります。
公開までのプロセスはどうか?
編集・確認が入る場合、誰が何をしているのか確認が必要です。タグをはじめとしたメタデータの記入をワークフローのどこで行うか(そこそもできるのか)の判断の助けになります。

コンテンツタイプを構成する項目の作り方

利用者と運営のニーズと期待は何か?現状のコンテンツ運用で抱えている課題は何かを把握して、いよいよコンテンツタイプの項目を洗い出していきます。多くの場合、タイトルや日付といった項目が入ることは予測できますが、他にどのような項目が入るでしょうか。

同じコンテンツタイプでも、プロジェクトによって異なる項目が入ることがあります。項目の作り方はいろいろありますが、以下の条件を満たす必要があります。

1. ユニークであること
コンテンツタイプを構成する項目はそれぞれ依存関係にありますが、それぞれ明確に異なります。細分化したいから分けたような類似項目は、そのままひとつにまとめておいたほうが良いでしょう。項目がユニークであれば、どこに何を入力すれば良いか分からなくなるような混乱を避けることができます。
2. 情報の単位であること
ひとつの項目だけで、コンテンツをきちんと理解することはできません。しかし、特定のニーズに応えるために必要最低限の情報が含まれている必要があります。「概要」という項目に記入されている情報を読んだだけでは、全体像は掴めないかもしれませんが、概要は流し読みという目的を達成するために十分な単位と言えます。

まとめ

コンテンツタイプはコンテンツ設計の基盤と言える存在です。ブログをカスタマイズすることから始める CMS だと、ブログ記事というコンテンツタイプを拡張するかたちでコンテンツ設計をする傾向があります。コンテンツの果たすべきゴールに応じてきちんと分類することで、マルチデバイス・マルチプラットフォームに向けて、きめ細かなコンテンツ配信がしやすくなります。

筆者について

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