デスクトップのメタファを使ったファイルシステムが不適切な状態になってきていると言われて久しいですが、現状は変わることなく使われています。個人的に Mac OSX は未だに従来のメタファを使っているものの、徐々にそこから離れているイメージがあります。必要な気がしても「これ!」というものに出会っていませんが、この難しい課題に挑戦しているのが、イタリアの itsme というプロジェクト。2010年のリリースを目指して Linux ベースのまったく新しい OS を開発しているそうです。
このプロジェクトが興味深いのが、機能ではなく人にフォーカスしてどのようなシステムが必要か模索している点。人の生活は様々なストーリーが密接に絡み合っており、それぞれのストーリーには現場 (venue / 場所・意見・立場) が存在すると仮説。人の体験や状態に応じて柔軟なメタファが必要であると説いています。我々が能動的にアクションを起こすのではなく、状況に応じて適切な情報が表示されるようなイメージです。
複雑化する情報をどのように整理して円滑にするかという課題は先日のセミナーでも話しました。情報が我々をコントロールするのではなく、我々が情報をコントロール出来る立場になるためにも、ただ単にツールを使うだけでは不十分です。今のようにいろいろ工夫してがんばるのではなく、システムそのものが複雑な情報社会を管理するための補助が出来れば良いですね。
現在、itsme ではスクリーンショットなど具体的に内容が分かるものがなく、どのような解決策を見出すのか不透明です。ただ、OSだけでなくハードウェアまで開発するみたいですし、Vista や OSX からも移行しやすいような工夫もなされるみたいなので今後の展開が注目ですね。イタリアはお年寄りにもやさしい OS を開発しているということで以前紹介したことがありますが、Mac/Windows 以外でのソリューションに積極的ですね。他にも探せば出てくるかも。

2008年10月10日 3:02
> 機能ではなく人にフォーカスしてどのようなシステムが必要か模索している点。
先日、iMindMapの開発者の方と話をした際に、
「ソフトウェアのやり方にそっていると思考が制限されてしまう。
ソフトウェアを思考にそったものにする必要がある」のだという話をしていました。
それに対する彼の答えが、「人間の思考を外面化」する「マインドマップ」をコンピュータ上で実現するiMindMapということなのですが、より大きな広がりにつながるかも。
2008年10月10日 8:18
@ken
「ソフトウェアのやり方にそっていると思考が制限されてしまう。ソフトウェアを思考にそったものにする必要がある」は、僕が言いたいことを分かりやすく表現している言葉だと思いました。バックエンドを支える技術も、フロントエンドを形作るインターフェイスも人を補助する存在でありたいですね。