今の利用者のニーズや傾向に注目するとブラウジング型のインターフェイスが受け入れられやすい形のひとつといえます。このデザインパターンに適した情報とはどういったものでしょうか。
UI
ブラウジング型インターフェイスの長所・短所
2010年2月16日 4:58 amWeb OS 搭載のネットブック「litl」
2009年11月17日 8:35 pm正直、あまりネットブックに興味がなかったのですが、今月初めに発売された litl は興味津々です。ソフトウェアのインターフェイスが独特なのと、機能ではなくライフスタイルからネットブックの可能性を提案している点が好感をもてます。ハードをフリップさせてデジタルフレームとして使える点のもおもしろいですね。 スペックをみると、HDDは2GB, 1GB RAM, 1.86GHz Intel Atom プロセッサなので、他のネットブックと変わりありません。しかし litl が他のネットブックより魅力的に感じるのは小さくて便利というスペックから見た魅力紹介ではなく、具体的な使い方を提案している点にあります。また、外へ持ち出すのではなく、家で使えるネットブックという見せ方もあまりないかもしれませんね。 litl の最大の特徴は、専用 OS にあります。これはモバイル向けの Ubuntu を改良したもので、インターフェイスデザインはロンドンを拠点とし今は世界各地に事務所をもつ Pentagram が手がけました。 公式サイトでは「Web OS」という表現を使っており、Web 技術との親和性が非常に高い OS に仕上がっています。インターフェイスは XUL で記述されており、OS のアップデートは全自動。OS の設定はすべて Amazon S3 に保管されるので、複数のネットブックでデータの同期も簡単に行えるそうです。「Web Card」と呼ばれるオブジェクトがホームスクリーンに複数表示され、選択すると Web サイトやアプリケーションを操作することが出来ます。 値段が 700 ドルと他のネットブックに比べ少し高いのがネック。しかし、他のネットブックにはない体験を欲している方であればひとつの選択肢ではないでしょうか。
決して使いやすいとはいえないタッチUI
2009年11月5日 12:48 pmiPhoneの登場以来、国内外問わず多くのスマートフォンがタッチスクリーンを採用しはじめています。これからのユーザーインターフェイスはタッチスクリーンだと感じている方もいるかもしれませんが、利用者はどのように感じているのでしょうか。Canalysという調査会社がヨーロッパのモバイルユーザーにタッチスクリーンに関する反応をまとめています。 Survey reveals extent of shift in mobile UI preferences この調査によると、次のモバイル機器の購入の際、指で操作するタッチスクリーンにしたいと考えている方は 38% にのぼり、スタイラス式(16%)の購入を考えている方を大きく上回ります。このようにタッチスクリーンの注目度は高いですが、既にタッチスクリーンの携帯電話を利用している方の反応は少し違います。Canalys の調査によると、47%の利用者が次の購入の際は同じ UI のものを利用すると応えています。言い換えれば半数以上がタッチスクリーンに満足をしていない可能性があるといえます。iPhone や HTC ブランドの携帯電話の方は高い割合で使い続けたいと応えているのに対し、Sony Ericsson のタッチ携帯は 29% と低い結果にもなっています。 タッチスクリーンにすることでより柔軟で多様なインプットを可能にしますが、ボタン式のように誰もが馴染んで使える UI とはいえないようです。今 iPhone で流行しているゲームは特にそうなのかなと思います。iPhone の特性を活かしたオリジナルゲームは良いかもしれませんが、従来のゲームの移植版だとボタンをたくさん押したりカーソルで移動するものが多かったりします。そのときボタンのような触感がある UI のほうが咄嗟の判断も含め操作がしやすいです。もちろん慣れという部分はあるでしょうけど、ひとつの課題ではあります。 iPhone や Palm Web OS をはじめ多くの携帯デバイスの UI は、タッチスクリーンを徹底的に研究してつくられたものばかりです。しかし、一般の利用者に使われ始めたのはここ数年と比較的新しい技術ですし、使われて初めて分かることも少なくありません。今後、幾つかの企業が新しい提案をしてくると同時に共通の UI パターンも増えてくるでしょう。そしてもしかすると、iPhone をはじめタッチを売りにしている携帯電話もボタンが少し増えたものを発売するのかもしれません。タッチ UI は便利な場合が多いですが、触感に頼らなければならない部分もあるので、そのあたりのバランスをどう形にするのかが興味あります。
マイクロソフトが提案する次世代マウス
2009年10月20日 11:52 pm先週、マウスとキーボードの代りになる可能性を示すデバイスとインターフェイスのデモ 10/GUIを紹介しました。Microsoft のほうでもマルチタッチ機能をマウスに組み込むことが出来ないかといろいろ模索しているようです。10月初旬にカナダで開催されたUser Interface Software and Technology conferenceで、5つの次世代マウスのプロトタイプが発表されました。Webサイトのほうで、5つのプロトタイプに関する書類と動画を観覧することが出来ます。 FTIR Mouse 形状はマウスに似ていますが、マルチタッチ操作がしやすいように軽く曲線がかかったフラットな表面が特徴 Orb Mouse マウス全体がマルチタッチインターフェイスなので、違う場所を触ることで違う操作が出来ます Cap Mouse 形状は現在のマウスに最も近くコンパクトな仕上がりになっています Side Mouse 機器の横からセンサーが出ており、机に触れている指を感知してコントロール出来ます。センサーの前であれば両手を使ったジェスチャーにも反応します Arty Mouse 親指と人さし指を装置にはめ込んで操作するタイプ 個人的に FTIR Mouse がお気に入りですが、マルチタッチが入っただけで同じデスクトップの操作が随分変わるなと実感しました。形状がマウスっぽいのが多いので、通常はマウスとして使って慣れて来たらマルチタッチを加えた操作をしていくなんてことも出来そうです。Mac を使ってますが、Microsoft のマウスは昔から好きなので愛用しております。5つのプロトタイプの中からどれが製品化されるのか楽しみですね。
10/GUIとマルチタッチインターフェイスの可能性
2009年10月15日 3:26 pmマウスとキーボードを使って GUI に表示されている情報を操作するという手法は 30 年以上採用され続けています。多くの方が慣れ親しんでいる方法とはいえ直感的に使えるわけではありませんし、複雑な操作をマウスだけで行うのは難しいです。今の時代に合ったマウスに代わる次世代の操作を模索している動きは以前からありますが、10/GUI はその中でも出来が素晴らしいです。Techcrunchをはじめ幾つかのサイトで紹介されているので、既にご覧になった方もいるかと思います。 次はタッチスクリーンと考えがちですが、手が邪魔でスクリーンが見えなくなるという問題があります。これを解決した例としてデバイスの裏からタッチする Nano touch というのがありますが、小さなデバイスに限られた手法です。10/GUI はタッチパッド上で操作するという実に無難な解決方法を選んでいますが、一緒に紹介されているインターフェイスと操作方法が絶妙で新たな可能性を感じさせてくれます。 幾つかのウィンドウが横並びに配置されており、アプリケーションの変更も左右にスワイプしたり、拡大・縮小をして全体像を見渡せるようになっています。Mac にもある Expose と Spaces が合体してジェスチャーに最適化されたような感じがします。メニューの扱い方など使い勝手が違いますが、ウィンドウを隙間なく並べて管理するアプリケーションは X Window System (X11) で既に幾つかあり、wmiiやawesomeがその例にあたります。 ジェスチャー操作が簡単そうですが、ひとつ疑問なのが文字入力など操作はどのようにするかという点です。タッチパッドとは別にキーボードを用意するのもアリでしょうけど、あまりエレガントな方法とはいえません。この課題に既に取り組んでいる企業があり、FingerWorks の TouchStream LP がそのひとつです。一見、少し形が違うキーボードに見えますが、キーボードの上でジェスチャーを行うことで様々な操作を行うことが出来るようになっています。拡大・縮小、ワープロの基本操作、ショートカットまで様々な操作をジェスチャーで行うことが出来ます。FingerWorksは、2005年に Apple に買収されており、その技術は iPhone やノートパソコンのトラックパッドに活かされています。もしかすると今後 TouchStream LP のようなキーボードが Apple から出るかもしれませんね。 タッチパネルのもうひとつの問題として、アクセシビリティがあります。手触りによる手がかりのない平面上のスクリーンで、目が見えなくても操作が可能なのでしょうか。この課題には Android が取り組んでおり、Eyes-Free Project を立ち上げ様々な開発が既に行われています。何が出来るかは Google I/O 2009 で披露されたこちらのデモビデオをご覧ください。音声認識はもちろん、スクリーン上であれば何処からでも操作を始めたり、文字入力を始めることが出来るのは素晴らしいですね。 10/GUI は次世代インターフェイスの議論に新たな視点を加えてくれたという点で素晴らしいですし、周辺のテクノロジーをみても誰でも使えるマルチタッチインターフェイスはすぐそこまで来ていると実感出来ます。 余談になりますが、Evoluent Vertical Mouse や AirObit Quill Mouse のような、ボタンが縦向き配置されているマウスもあります。図解を使って腕にやさしくて自然と説明しているものの、なんとなく使い難そうです。
