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UCDがもたらすビジネスメリット

2008年9月5日 6:29 pm

利用者のニーズやどのように使うのかを理解して作られたサービスや製品を「利用者を中心にしたデザイン (UCD/User Centered Design) 」といいます。作り手であるデザイナーやプログラマーの方は UCD を意識している方はいると思いますが、言葉だけに注目していると作り手視点でビジネスと結びつかないように見受けられます。Apple, BMW, IKEA, Nike をみても分かるように、サービスや製品を『デザイン』することで、人々に愛される企業になることさえあります。表層的なデザインではなく、利用者中心としたデザインをすることのメリットは何でしょうか。 戦略の統一化 UCDアプローチをとることで、サービスと製品に機関戦略のフレームワークがつくりやすくなります。また、縦割りの組織からコラボレーションが生まれる組織へ生まれ変わる可能性もあります。共通のビジョンをもって組織を動かすときに UCD はひとつの鍵を握っているかもしれません。 デザインに新たな価値を加えれる デザイナーはなぜか特別な存在であることもありますし、ビジネスプランにデザインが入ることが少ない場合があります。エンジニアも広報も全員がデザインを意識するようになるのも UCD の効果です。全員がデザインの価値に気付けば、装飾だけでは届かないゴールに辿り着けるようになるでしょう。 よりよいサービスを多くの方へ 実用的で感情にも伝えることが出来るサービスや製品を作るには、UCD を意識する必要がありますし、それが結果的に利用者に良い体験を提供出来ます。利用してもらいたい人たちにフォーカスすることで、成功への保証がより確実なものになります。サービスが良ければフォーカス外の人たちへの支持を得られる可能性もあります。 UCD のためのノウハウやテクニックは幾つかありますが、最も重要な点はデータや知識ではなく、チーム内でビジョンやフォーカスが何なのか共有出来る点だと思います。自分の仕事だけをするのではなく、自分が何のためにしているのか理解するのはモチベーションも達成感も違います。UCD のもたらすメリットをみていると User Centered Business (UCB) と言っても良いくらいビジネスとデザインは密接になってきていますね。

UXに関するよいお言葉

2008年5月16日 5:51 pm

最近見つけたおすすめブログは、inspireUX というユーザー・エクスペリエンスやデザインに関する言葉を引用されているシンプルなサイト。まだ始まって2ヶ月くらいしか経っていないですが、様々な職種の方がそれぞれ独自の視点と言葉でデザインについて語っています。引用をインデックスカードに印刷出来そうな小さめの画像も用意してある気前の良さ。Webデザイン関連の言葉も多く、短い言葉ですがインスピレーションになるものも多いです。今回はその inspireUX で見つけた印象のある引用を幾つか紹介します。 Dan Saffer (Adaptive Path): インタラクションデザインは単に問題解決のためだけではなく、より良い人々の関係を促進するためにも存在する。人と人を繋げるための良い方法をつけることが世界をもっと良い場所にすることにも繋がる Aaron Gustafson (AdvancED DOM Scripting): まずはコンテンツから始めよう。デザイナーも開発者も人々がコンテンツのためにサイトに訪れていることを忘れてしまうことがある。ビュッフェのように盛りだくさんのものをつなぎ合わせるのではなく、素敵なコース料理のように愛情をもって作り、邪魔にならないようにユザーに仕えよう。コンテンツのために一生懸命努力したら、お祝いすることも忘れずに Charles Mingus (Wikipedia): シンプルなものを複雑にするのは平凡なことだが、複雑なものをシンプルにするのはクリエイティビティである Joshua Davis (Studios): 一般ユーザーは馬鹿だと思うべきではない。我々はユーザーを教育するための直感的なシステムを作ることで媒体を進化させていくべきだ。扱えるだろうと思えるレベルに留まることはない Jakob Nielsen (UseIt.com): たとえ素晴らしいデザイナーでも正しい問題を解決することだけでしか成功する製品を作ることが出来ない。間違った機能を実装している素晴らしいインターフェイスは失敗する

複数のサイクルで構成されたプロセス

2008年3月17日 4:32 am

ブログエントリーをタイプ別に振り分け、どのような読者がサイトを訪れているのか漠然的ですがみえてきました。そして、ついにプロトタイプをそろそろ作って行くという段階に近づいて来たわけですが、ここでプロトタイプからテスト、もしくは公開までの進め方を紹介していこうと思います。 通常、上図のように分析、プロトタイプ、デザイン、コーディング、テストというプロセスが順に行われます。それぞれのフェーズにサイト全体を考慮しつつ進めて行くわけです。このプロセスは多くのサイト構築に使われていますし、特に問題もないと思いますが、別の方法も考えられます。特に様々なタイプのページが存在するところだと、全体を一気にデザインしたりコーディングするのではなく、細分化して進める方法もあると思います。 こうした進め方をするメリットは幾つかあります。 一部の機能やページに特化するのでフォーカスしやすくなるだけでなく、ビジョンの共有もしやすい ひとつひとつ組み立てていくことで全体的な方向性も見えて来る可能性がある 先に行われたサイクルが次のサイクルを進めて行く上で参考になるので、より洗練されていく フィードバックの数が必然的に多くなる まったく同じワークフローを繰り返すのではなく、サイクルを進めて行くにつれてより全体的なデザインへと進化していく ひとつのサイクルを終わせるごとに達成感を味わえる 特に最初に挙げた「ビジョンの共有」が、オープン Web デザインで重要な部分になっているところだと思います。サイト全体をどんどん構築するのはそれほど難しいことではないですが、その分あなたが消化しなければならない情報量が多くなります。しかも考慮しなければならない項目が増えれば増えるほど追うのが難しくなりますし、結果的にフィードバックが少なくなってしまいます。ひとつひとつ作ればそれだけ情報はフォーカスされた話題にもなりますし、プロセスもスピーディになるのではないかと考えています。 今までまとめて作っていた Webサイトを細分化して作って行くので、気をつけなければならない点も幾つかあります。 全体的なゴールを把握し、それをどのように細分化して複数のサイクルをつくるのか検討する サイクルごとに何がゴールなのかを明確化すること 細分化してもサイト全体のゴールがぶれないように気をつける どのサイクルから先にするかを検討。下階層からスタートするのが理想的 トップページやアーカーブページなどいろいろありますが、まずはこのサイトのコアにもなるブログエントリーのページから攻めて行こうと思います。ブログエントリーのタイプごとにサイクルを組み立てて最終的な形へもっていこうと考えています。順番は以下のとおり。 Links(リンク) Round up(まとめ) Review(レビュー) Diary(日記) Announcement(告知) Article(記事) Follow up(追記) 文章があまりないリンクからスタートして、徐々に文章量や関連情報が多くなりそうなエントリーへ徐々へ進めて行きます。特に先の3つはフォーマットもある程度決まっているので作りやすいのではないかと考えています。まずは簡単なものから皆さんと考えて行き、難しそうなものへ挑戦していきましょう。 恐らくサイクルごとに完全なビジュアルを決定することはないと思いますが、それはサイクルが進んで行くごとに形になっていくのではないかと予想しています。よって、ひとつのサイクルのゴールはある程度の見栄えを整えてきちんとコーディングされた状態までを指すことにします。 これまでと同様、ブログや SBM 等であなたのコメントをチェックしているので、何か意見や感想などがあれば書き込んでいってください。

UCDではないもの

2008年2月21日 3:31 am

UCD (User Centered Design) / 人間中心設計プロセスは、ここ数年注目を浴びている言葉のひとつ。特に私が携わっている Webサイト制作業界でよく聞く言葉のひとつですし、エンジニアやプログラマーも UCD を意識している方も少なくありません。UCD について詳しく知りたい方は、棚橋さんが書いた「 User Centered Designが必要な理由」が参考になると思います。 今このサイトで行っているオープン Web デザインも UCD を考えてやっていることではありますが、他のバズワードと同様 UCD も扱いに気をつけなければならない言葉だと思います。利用者のことを考えてデザインしていますという意思のようなものが UCD という言葉から伝わってきますが、「利用者を中心とした」という言葉の真意は何処にあるでしょうか。ペルソナを作ったとしてもごく少数のためにデザインするわけでもありません。どの利用者の中心なのでしょうか。 他の言葉と同様、UCDは様々なメーリングリストやブログで話し合われていますが、明確な定義というのはありません。僕としても明確な定義は必要としていないわけですが、これは UCD とは言えないのではないだろうかという部分を挙げてみることで、なんとなく自分の中で UCD とはこういうものなのかもしれないねと分かって来るかもしれません。 一概に利用者が求めているものを与えることが UCD ではない。そもそも利用者は求めているものがはっきり分かっていないことが多い UCD はビジネスやテクノロジーから独立して存在しているわけではない。むしろ密接に関わっていて切り離すことは出来ない 簡単に使えるものを作ることが UCD ではない。どんなに配慮が行き届いたプロダクトでもエラーは発生するので、エラーやミスから立ち直れるように作られているかが重要 UCD は数多くあるデザインプロセスのひとつであって、保証にもならなければ最高のプロセスといえるわけではない デザインは芸術、技術、経済そして環境といった様々な要素が組み合わさり、その中でどうバランスをとるかがひとつの課題になっています。UCDにしても同様のことが言えるわけで、バランスを考える中で利用者の価値を忘れてはいけないということなのかもしれません。

About

東京在住の「デザインする人」長谷川恭久の個人サイトです。

2008年2月より、新しい CMS を利用して再スタートしました。以前の記事はこちらのエントリーリストを。そして、たくさんの方に読まれた人気記事が読みたい方ははてなブックマークの注目エントリーを参考にしてください。

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  • Toshiya: 狭義の利用者に、でなく、Contributor にどういう Contribute をしてほしいのかの期待値をメタファを使って最大限に巧く示した 例として、Wikipedia があると思います。...
  • ぬくえ: こんにちわ。青森県出身の世田谷区在住のぬくえと申します。 是非、関東でも開催してください!!! web等々は全くの無知ですが、仲間と「地域活性化」を目指して います。 20年来の仲間が最近出会った人に思える事があります…...
  • CalmTech: ご回答ありがとうございました。 全体像の視覚化がわかりやすく、自分でも考えてみたいと思いまし た。 ユーザーの変化を促す要素のうち、特に人間味というのが納得でき ました。...
  • ヤスヒサ: @dtc-design イベントのハンドリングなどありがとうございました。講師に集中 出来たのも運営側のケアがあったからこそだと思います。ありがと うございました。 日本語という言語を共有していたとしても、同じ業界で働...