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Microformatsとモバイルの関係

2009年1月7日 4:37 pm

様々なアプリケーションを立ち上げるパワーもなければ、並べて眺めるだけの十分なスペースもないモバイル環境。それゆえデータの連携は使いやすさを向上させるひとつの鍵といえますし、ウェブサイト間で出来るのであれば、モバイルブラウザひとつ立ち上げておくだけですべて完結するかもしれません。 iPhone では vCard や iCalフォーマット (ics) をブラウザからダウンロード出来ないようになっています。つまり、カレンダーに書き留めておきたい情報がウェブ上にあったとしても、一旦カレンダーに切り替えて自分で書き込まなくてはならないというアナログチックな作業が必要ということになります。そこで Microformats を摘出して、自分が利用している Web サービス へ情報を自動入力するという形であれば iPhone だけでなく他のモバイル機器でも考えられるソリューションだと思います。 Bookmarkletを使うやり方もありますが、現状 iPhone では Bookmarklet の保存の仕方が大変面倒 (パソコンと同じようにはいかない) です。もちろん Greasemonkey も使えませんし、現存のブラウザへプラグインソフトを組み込むということも出来ません。デバイス自体のカスタマイズが出来てもブラウザのカスタマイズはまだ制限が多いといえます。 カスタマイズ出来ないなら特化したブラウザを作れば良いだろうというので登場したのが Mosembro という Android 向けのブラウザ。摘出した Microformats を Google Calendar にイベントを追加したり、場所を地図上に表示するといったアクションを補助してくれる機能が実装されています。デモムービーをみるとモバイル環境における Microformats の可能性を感じるのではないでしょうか。 サイト上の Microformats をいかにして利用者に気付いてもらうかというのは以前からある大きな課題です。フォーマットに対して知識がある人が自分たちでブラウザをカスタマイズする方法、Mosembro のようにソフトウェアが補助する方法、Oomphのようなツールキットを導入して個々のサイトが補助する方法があります。どれかひとつというよりかは、いずれの方法も模索していかなければならないのでしょう。うちのサイトも hCalendar, hAtom, hReview, xoxo だけでなく、先日掲載したチャットログを実験的に hChatLog にしてみたりといろいろやっているのですが、摘出方法を工夫しないといかんですね。

Microformats用ツールキット: Oomph

2008年10月23日 12:06 pm

先週のセミナーで、ページ遷移ではなくデータがどのようにフローしていくのか想像しながらサイトデザインが必要になってくると話しました。近年、ページもしくはひとつのサイト内の情報設計だけでなく、ウェブ全体でその情報はどう扱われるのかという視点も加わったと思います。RSSやAPIはその始まりの段階だといっても良いでしょうし、こうしたセマンティックウェブ的な技術はブラウザの一部の機能として取り込まれたり、技術を意識することなく使えるようになってきています。 Microformatsは、徐々に広がりつつあるマークアップ方法ではありますが、具体的な実用例やツールが少ないということで制作者側も足踏みしている状態です。そんな中、先日マイクロソフトが Oomphというツールキットをリリースしました。そうです、Web Slice を作っているマクロソフトが Oomph です。 このツールキットは、IE用のプラグイン、hCard, hCalendar の HTML/CSS テンプレート、そしてページ内に Microformats があるとハイライトして他のサービスでそのままデータを利用出来るjQuery と組み合わせたツールがセットになっています。IE用のプラグインをインストール後、Microformats でマークアップされたページを表示すると、アイコンが点灯します。クリックすればページ内の Microformats し、地図を表示したりアドレス帳に追加するといった Firefox 用 Plug-in である Operator と近い動作をします。JavaScript で作られた摘出ツールは、IE用プラグインと同等の機能をページ上で行うもので、こちらのページでどのように使えるか見ることが出来ます。 Microformats のことを最初にセミナーで話したのは3年前でした。そのときから「これは広まるのか?」という質問をよく聞きますし、今でも変わらずあります。簡単とはいえマークアップにかかるコストがあるので、無料で出来るものでもありません。広まるか広まらないから「業界」という名のトップ層ではなく毎日マークアップしている制作者ひとりひとりにかかっています。Microformats そのものがボトムアップで仕様を作ったり啓蒙活動をしているのと同じことがいますね。 また Microformats は将来もっと「広まる」と思いますが「デファクト」という存在にはならないと思います。Web Slice を作っているマイクロソフトがあえて Microformats 用のツールを提供しているのを見ても分かる通り、これは最終的にひとつに集約されるというものでもないと思います。 サイトに訪れたい人もいれば、RSS技術を利用したアプリケーションやサービスを使って情報を観覧したい人もいます。ウェブの使い方、関わり方が多様化しているわけです。利用者がデータを使って何かしたい(例えばイベントをカレンダーにすぐに追加したい)ときに、そのサイトはワンクリックで出来るようにしているかどうかです。RSSもそうですが、Microformats は、インターフェイスで見える分かりやすいものでもなければ、「自己主張」するものでもありません。ただし、欲しいと思ったときにそこにあると便利なひとつのチャンネルだと思います。 利用者が「こうしたい」と思ったときに、サイトが提供出来ているかどうか。多様化されているウェブの利用方法に合わせて、サイトも多様なチャンネルが必要です。そのひとつとして Microformats は欠かせない存在だと思います。 Operator は、Microformats の可能性を示すひとつのショーケースであったように、Oomph も新たに加わった素晴らしいショーケースです。摘出するための JavaScript が記述されたページを見るだけでも価値アリです。

セマンティック・ウェブ検索の現在

2008年4月14日 3:50 pm

セマンティック・ウェブはひとつの理想論であって現実にはほど遠いと考えていた時期がありましたが、徐々に形になってきているようです。簡易なかたちであれば、セミナーで話したこともある Microformats がありますし、Social Graph もその一環といえるでしょう。数年前に比べると随分 RDF やメタデータも増えてきているわけですが、それらを効率的に検索したり、オントロジーを利用して情報をつなぎ合わせるツールや、使いやすいインターフェイスをあまり見かけません。どうせなら hConnect のようなものを誰か作ってほしいわけですが、こうした夢の話ではなく、実際に使うことが出来るセマンティック・ウェブ検索を幾つか紹介。 Swoogle University of Maryland が開発した検索エンジン。230万の RDF を検索。オントロジー検索も可能で RDF の関連データの引き出しも可能 Yahoo! Microsearch Yahoo! が開発しているセマンティック検索。RDFだけでなく Microformats もインデックス。検索結果は通常のリストのプラスα的な見せ方になっています Falcons 7百万の RDF をインデックスしており、その中にあるデータも細かく調べたり関連付けされている。URI の文字列からも探すことが可能 Sindice 2千万の RDF をインデックス。検索結果とどのソースが検索した RDF にリンクしているかといった情報も分かる Zitgist リンクされているキーワードを元に意味のある情報を引き出す zLinks をはじめ、ユーザーフレンドリーはツールを提供している。ちなみに zLinks は WordPress のプラグインとして配布されています。 既に幾つも存在するセマンティック・ウェブ検索ですが、単なるリストの上、RDFのデータをそのまま出しているだけで非常に分かりにくいのが現状です。Zitgist が一歩リードしていますが、これからいかに生データを整形して人間にも理解出来るデータに組み替えるのかが課題になってくるのでしょうね。中には API を公開しているところもありますし、通常の検索と組み合わせて新しい価値を生み出せる可能性もあるかもしれません。

Social Graph と hConnect

2008年2月14日 8:52 pm

Google が今月初めに Social Graph API を公開しました。Social Graph API について知りたい方はマイコミジャーナルの記事を参考にされると良いと思います。自分と友達の関係を特定のサービスに限定させることなく視覚化出来るという意味で非常に興味深いです。今後具体的になってくるであろう Google によるソーシャル検索のための伏線でしょうし、これが他サービスとどう組合わさって行くのかも楽しみですね。 もちろん、これにはプライバシーをどのように保護するのかといった課題も出てきます。例えば自分自身は Social Graph API を利用していなかったとしても、自分の友達が Social Graph API を利用して「友達である」と示していれば関係性が表に出てしまうのではないのでしょうか。つまり、自分が求めているかどうか関係なく自分に繋がっている誰かが API を利用することで、自分もネットワークの一部として『公開』されるかもしれないわけです。もちろん、どのように繋がりを見せるかといった設定が可能だったり、何かしら制限を加えることで回避出来るかと思いますが、こういった課題を幾つか超えて行く必要は今後いろいろあるような気がします。 Social Graph API の説明を読んでふと思い出したのが 2006年10月に開催された CSS Nite LP1 で紹介した hConnect というコンセプト。Microformats には hCard や XFN といったフォーマットがあるので Social Graph との親和性が高いです。hConnect では、Microformats を経由して自分のコンタクトに関する情報を集め、Address Book や iCal と簡単に同期が出来るというものでした。これに Social Graph が組合わさるとどんなかんじになるかモックアップを作ってみました。 以前にはなかった関係を示す部分や、その人が利用しているソーシャル系のサービスやブログを一望出来る部分が増えました。ある意味、人を中心にして考えた RSS リーダーっぽいですね。以前作った他のモックアップも見ていただきたいですが、こうした Web にある情報が自分がいつも使っているソフトウェアともっと密接に繋がれば便利だと思うんですけどねぇ。どうなんでしょう。

About

東京在住の「デザインする人」長谷川恭久の個人サイトです。

2008年2月より、新しい CMS を利用して再スタートしました。以前の記事はこちらのエントリーリストを。そして、たくさんの方に読まれた人気記事が読みたい方ははてなブックマークの注目エントリーを参考にしてください。

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  • 百十番: >その価値をいかにマネタイズするのかが今後の課題ですが 、 この話は、もう10年以上語られていますが今だに巧妙は見えず、 ジャーナリズムの衰退には逆に拍車が掛かっていると思います。 >硬派な分野では...
  • ヤスヒサ: @techforlearning 教育とソーシャルメディアの相性は良さそうですね。日本ではブー ムがすっかり去ってしまった Second Life ですが、海外では遠く離れた学校間のコミュニケーションの場とし て...
  • techforlearning: こんにちは。いつもYasuhisaさんの示唆に満ちたエントリ 、勉強になっています。私は学校サイトの運営をしていることから 、WebsaYoutube, Twitter, Facebook,...
  • just a reader: 元ネタからこのような意図でこのように改変します。というこの記 事そのものがよいレクチャーとなる記事です。できあがった結果よ りも、このように直すこともできますよという思考プロセス...
  • ヤスヒサ: @CalmTech プレゼンといってもスライドと喋りでワンセットなので、いろいろ な見せ方があると思いますし、今回紹介したのもそのうちのひとつ に過ぎないと思います。CalmTechさんが提案してい...