Keywordapple

iPadは第五のスクリーンになれるか

2010年2月1日 12:33 pm

iPadの成功か失敗は今の時点で誰も分かりませんが、「繋げる生活デバイス」のプロトタイプを作ったという意味で興味深い製品です。

市場調査をしない Apple のビジョン

2009年7月30日 2:20 pm

iMac, iPod, iTunes Store, そして今は iPhone。最初は批判が少なくなく、多くの疑問が投げかけられる Apple 製品ですが、気付いたら誰もが Apple のモデルを追いかけている形が続いています。Apple がすべて正しいことをしているとは言えませんし、最近もGoogle VoiceをiPhoneから締め出すといったニュースが報じられたりと、閉鎖的な動きをよく見かけます。それでも世界中で本当に先進的なことをしているなと感じる数少ない企業であることは間違いありません。 彼等のイノベーションの秘密は何なのでしょうか。実は Apple では市場調査を一切せず、過去 10 年でコンサルタントを雇ったのも1回限り。これからのトレンドを調査をして見つけ出すのではなく、自分たちで作り出すという彼等の姿勢の表れなのでしょう。詳しくは「You Can't Innovate Like Apple」と「Steve Jobs speaks out」という記事に掲載されています。 Steve Jobs が自ら「市場調査はしない」と言っているものの、彼をはじめデザイナー達は人の行動や心理、アーリーアダブターの反応を研究していると思います。人に質問をする際も利用者が何を必要としているのかを聞き出すというよりかは、なぜ必要なのか、なぜそのように使っているのかという部分に注目すると良いのでしょう。そうすることで、開発しているプロダクトのフォーカスが絞られるのではないでしょうか。 Jobs のような天才が何処にでもいるわけではありません。しかし、以前ポッドキャストでも話したように強いリーダーシップはデザインをしていく上で必要なポジションといえるでしょう。市場調査をするしない関係なく、提示された様々なデータから何を導き出し、テーマを絞って進む力がないと、あやふやにもなるでしょう。また、小さなチームのほうがリーダーの影響も浸透しやすいと思います。 去年の記事になりますが、BussinessWeek が、Jonathan Ive とのインタビューを掲載しました。インタビューで彼は目的はお金を稼ぐことではなく、良い製品をデザインすることに尽きると語っています。その結果として人々に受け入れられ、お金を生み出しているに過ぎないとのこと。自分たちの作る製品に自信をもっているだけでなく責任もあるからこそ言える言葉ですね。以前ピクサーに関する記事を紹介したことがありますが、それと共通しているところはあります。 良い仕事をすれば人もビジネスもついてくる・・・とてもシンプルな考え方ですが、そう簡単に出来るものではないですね。真似出来ないところは多いですが、デザインへの姿勢やコンセプトの固め方の部分は参考になると思います。

ウェブサイト制作にも参考になるAppleアプリの作り方

2009年6月10日 1:07 am

以前紹介した LittleSnapper をはじめ、Macには無料・有料ソフトウェア問わず UI が洗練したものが数多く存在します。「Macらしいアプリ」と言えるかどうかはインターフェイスと大きく関わっているかと思います。Appleアプリの開発者はどのように形作っているのでしょうか。TechRadar UK の「Before you buy: how Apple software is born」という記事で CoverScout 3 の開発プロセスをインタビュー形式で紹介しています。 大まかにコンセプトを固めるアイデアフェイズ、プログラムなどをする開発フェイズ、そしてバグフィックスや細かな修正といった洗練フェイズの3つに分かれており、それぞれ 30% ずつの時間を費やすそうです。紙や Photoshop を使った平面的なモックアップを作るものの、最終的には実際動くモックアップを作って吟味していきます。3つのフェイズありますが、それぞれがウォーターフォール式に続いて完成ではなく、3フェイズがセットになって何回も続くといった感じなのでしょう。 一見、Finder に実装されている Cover Flow をそのまま使ったような UI ですが、そのまま流用しているのではなく、自分たちが実装したい機能を盛り込むためにゼロからコーディングをしたそうです。自分たちのアイデアが形に出来るのかを試してみて、それが本当に必要なものかを吟味してまた調整を加える・・・その繰り返しでソフトウェアが徐々に完成品に近づいて行くそうです。こうした反復作業の回数は最初のスケッチから数えると4桁にも昇るとのこと。 CoverScoutは、バージョン3ということもあり、利用者のフィードバックを参考にして作られているものの、ユーザーテストはなさそうです。あとペルソナを設定して・・・といったシナリオ作りもなさそうです。まずは自分たちが足りない(又は改善したい)と思う機能を作るというところからスタートします。ただ、短い開発サイクルを何度も繰り返すことによって利用者のフィードバックから導き出される隠された欲求を探し出しているのかもしれません。考える時間もたっぷりとっていると同時に、実際動くものを作り、観察をするといった実行の部分も織り交ぜている点はウェブサイト開発にも参考になりそうです。 ユーザーサポートは最近は Twitter や iChat を使うとのこと。メールでも受け付けているみたいですが、利用者となるべく直接対話が出来る機会をもつことで、サポートが出来ると同時に時期バージョンへのフィードバックにも繋がりやすいそうです。また FAQ を充実させることで、多くの利用者のニーズは消化出来ますし、先述したような直接対話をするためのリソースへまわせるようになるのでしょう。 ウェブでもそうですが、ソフトウェア開発でも最適なプロトタイプ作成ツールなないようで、インタビューでもそのことについて触れています。新しい UI やビヘイビア/インタラクションを加えたいときに、紙、Photoshop、Interface Builder では一長一短なところがあるみたいですね。僕自身もそれには困っているので結局それぞれが得意としたものを任せるという形にはしていますが。まだこの分野ではキラーアプリがないんですよねぇ。誰か作って欲しいですわ。

体験そのものを製品として売る

2008年6月23日 5:31 pm

今月初めに開催されたアップル開発者向けカンファレンス WWDC 2008 では、日本で 発売も決まった iPhone 3G の話題で持ち切りでしたが、個人的に気になったのが次期 Mac OSX にあたるコードネーム「Snow Leopard」。Mac OSX 10.6 という位置付けのようですが、今回は目に見えて分かるような新機能はなく、64-bit サポートや OpenCL のような開発者にとって嬉しい技術の実装が中心。開発者でなければ具体的にどういったメリットがあるのか現時点では分かり難いです。 もちろん、利用者にとっても快適で安定したパフォーマンスが約束されると思いますが、新機能がないのに次期 OS としてリリースするのは今までにないケース。MSっぽく「Leopard SP1」というわけにはいかないでしょうけど、スタンスとしては似ているような気がします。最も新しいバージョンである「Leopard」を含めて新しい OS がリリースされる度に何百も新機能がありますと宣伝してきたわけですから、発売が近づいたときにどうプロモーションするのかすごく興味があります。Snow Leopard のスクリーンショットは、ネットで探すと幾つか出てきますが、Safari 4.0 を除いて見た目も機能も変わりありません。 もし新機能がないまま、今までのようにフルプライスで販売することになったら、体験そのものを製品として売り出す最初の OS になると思います。Windows Vista もセキュリティ面を強く押していた印象がありましたが、それでもたくさんの機能と見た目の大幅リニューアルという分かりやすいセールスポイントがありました。まだこれからいろいろ情報が出てくると思うので何とも言えない部分はあるものの、新機能がない(もしくは少ない)状態でリリースするのであれば、それはそれでどうプロモーションするのか楽しみだったりします。 新機能の追加がなく体験だけで価値を語るのはひとつの挑戦ではありますが、不可能ではありません。考えられる方向性は4つ考えられます。 感情移入 製品を扱うときの人の行動や目的を理解して具体的な提案を行う 問題解決 複雑な問題を明確でシンプルな形で回答することが出来ることをアピールする 未来予想図 製品を使うことで新しい自分 (新しい環境) に生まれ変わることを紹介する 招待状 購入することがひとつの文化やグループに仲間入りするためのステータスになる Appleなので「招待状」的なアプローチはするもしないも既に存在していると思いますが、「感情移入」「問題解決」をいかに短くて明確なストーリーとして落とし込むかが鍵になってくるでしょうね。もしかすると、機能がリストアップされているだけの従来の形より OS の良さが伝わりやすくなる可能性も秘めているかもしれません。「Snow Leopard」の発売はまだ 1年先ですが今から楽しみです。 個人的に、英語版では既に実装されている VoiceOver が、次期版では日本語でフルサポートして欲しいですね。インフォアクシアの植木さんも絶賛していました。 追記: MACお宝鑑定団のidanboさんによると、SF EXPO 2009 には一般ユーザー向けの新機能が幾つか紹介される可能性があるとのこと。となると、体験そのものを製品として売るというアプローチではないかもしれませんね。いずれにせよ楽しみです。

Quick Look でビジュアルブラウジング

2008年4月4日 6:58 pm

Mac OS X Leopard から実装された新機能 Quick Look。スペースバーか Cmd+Y で素早くファイルの内容が見ることが出来、iWorks さえ入っていれば MS Office がなくても .doc や .xsl ファイルをプレビュー出来るので大変便利です。Plugin をインストールすることで Quick Look で見れるファイル形式を増やすことが出来るので、アプリケーションを開かなくてもほとんど Quick Look で済ませることが出来ます。あまりにも便利なので Quick Look を使ってフォルダ移動を快適に出来ないか模索してみました。 Quick Look の操作は Finder の表示モードによって異なります。「アイコン」「リスト」「カラム」とありますが、この中でフォルダ階層の移動がしやすいのが「カラム」表示。ショートカットをほとんど使うことなく、ほとんどのナビゲーションを矢印キーで出来ます。たとえ深い階層まで降りたとしても左矢印キーを連打すれば一気に最上階層まで戻れます。これがアイコン/リストビューとかだと Cmd+↑ になるので、この差は大きいです。下階層に降りるときも同様で、アイコンビューの Cmd+O が右矢印なのでシンプル。リストビューでも同様に右矢印ですが、全部フォルダを開いたりして見苦しくなるので、開く場合もカラムビューは優位です。 カラムビューにして早速 Quick Look をスタート。矢印キーを押しながら次々にフォルダ階層の移動とファイルの観覧が出来るようになります。大きな画像で次々見れるので Cover Flow より見やすいかもしれません。なかなか便利ですが Quick Look 単体だとフォルダ階層の全体像がつかみ難いので今どの辺にいるかはっきりしないときがあります。そこで、Finder の [表示][パスバーを表示] を選択してウィンドウの下にフォルダ階層パスを表示させます。Quick Look の下のほうに見えるようにウィンドウをずらしておけば、自分が今どのフォルダを見ているのか分かりやすくなります。 Quick Look のプラグインである Folder Quick Look はとりあえず入れておきたいですね。下階層に行かなくても内容が分かるので Quick Look ブラウジングの必需品です。デザイナーの方であれば SneakPeek Pro も捨てがたいです。フォント名や色情報など、CS3ファイルの詳細情報が見れる優れものプラグイン。それほど高機能ではないですが EPS 形式が見れるようになる EPSQuickLookPlugin も入れておいても良いかも。

About

東京在住の「デザインする人」長谷川恭久の個人サイトです。

2008年2月より、新しい CMS を利用して再スタートしました。以前の記事はこちらのエントリーリストを。そして、たくさんの方に読まれた人気記事が読みたい方ははてなブックマークの注目エントリーを参考にしてください。

Feedbacks
  • ヤスヒサ: @Toshiya ロゴデザインという意味で見ても Wikipedia のは様々な意味が含まれていて興味深いですし、世界=Web という関係性が上手に表現されているような気がします。そして、 コミュニティも...
  • Toshiya: 狭義の利用者に、でなく、Contributor にどういう Contribute をしてほしいのかの期待値をメタファを使って最大限に巧く示した 例として、Wikipedia があると思います。...
  • ぬくえ: こんにちわ。青森県出身の世田谷区在住のぬくえと申します。 是非、関東でも開催してください!!! web等々は全くの無知ですが、仲間と「地域活性化」を目指して います。 20年来の仲間が最近出会った人に思える事があります…...
  • CalmTech: ご回答ありがとうございました。 全体像の視覚化がわかりやすく、自分でも考えてみたいと思いまし た。 ユーザーの変化を促す要素のうち、特に人間味というのが納得でき ました。...
  • ヤスヒサ: @dtc-design イベントのハンドリングなどありがとうございました。講師に集中 出来たのも運営側のケアがあったからこそだと思います。ありがと うございました。 日本語という言語を共有していたとしても、同じ業界で働...