本日掲載された Magntize の紹介記事で、クリエイターのためのライフハックがめでたく100回目を迎えました。第一回目の Writeboard の紹介が 2006年ですから3年以上かかってしまいました。週に2,3回で途中から別の連載を始めていることもあるので余計時間がかかったのかもしれませんが・・・いや、かかりすぎか。 まだライフハックという言葉が定着していないときから初めていたこの連載。「クリエイター」というより自分の好みに近いサービスの紹介もありましたが、それでも連載を通して方針を幾つか立てて紹介をしていました。 あまり紹介されていないサービスの紹介 有名なサイトで紹介されていたことを理由に没にしたこともあります。もちろん、マイナーなのばかりというわけにはいきませんが、Webをよく使う人に対して「これ知ってる?」と自慢出来そうなのをピックアップしました 海外サービスを紹介 得意分野ということでもありますが、「使い方」を記事に出来るという意味でも海外サービスの紹介が中心になりました。もちろん日本語が通らないのは問題外なので、すごく紹介したいサイトでも日本語サポートがないことで没したことも UIがよいものを紹介 これが最も重要な点。類似サイトが幾つかある場合も UI が良いのを選んでいましたし、サービス自体がよくても見た目が良くないからという理由で没したこともあります。機能だけでなく使っているときの満足を追求するなら妥協出来ない部分ですね この連載は、編集の方に支えられたといっても過言ではないです。長期間なのでその間に何人かの編集の方とお付き合いをしましたが、的確なアドバイスをしていただいたり、時には話相手にもなっていただき本当にお世話になりました。 3年も経ってしまったので連載名は少し古めかしい雰囲気にはなってきましたが、今後もマイペースで様々なサービスや使い方を紹介していきたいと思います。たまにアナログネタも交えるのも忘れないようにしないとね。 今後ともよろしくお願いします。
仕事
マイコミジャーナルでの連載が100回を迎えました
2009年11月20日 12:30 pmテラハウス訪問で考えた教育のこと仕事のこと
2009年11月6日 3:37 pm先日、東中野にあるテラハウス ICAキャリア開発研究所の見学に行きました。テラハウスは再就職訓練を実施している施設。東京都産業労働局には職業能力開発センターや職業能力開発校といった組織がありますが、テラハウスは民間委託訓練施設に属します。教務部長の金澤さま、キョウリツネットの新井さまと牧原さまにお時間をいただいて、職務訓練の現場について、そして教育する側からみた Web の仕事についてお話を伺いました。 再就職訓練という一度社会に出ている方を対象にして短期間で Web の仕事ができるためのスキルを教える場。3ヶ月の授業と1ヶ月、Webサイト制作会社にてインターンとして働くことが出来るカリキュラムになっています。週に5日の授業はトータルで360時間ありますが、その間に「使う拡張子はなに?」から具体的なワークフローの実践まで幅広く学ぶわけですからかなりハードです。しかも Photoshop, Illustrator, Dreamweaver, Fireworks, Flash とソフトウェアの使い方も一通り学ぶわけですから私だったら頭が混乱しそうです。ここでしっかり知識を吸収した生徒さんの中には大企業に就職された方もいらっしゃるそうです。 現在、不景気ということもあり入校希望者も去年に比べかなり増えているそうで、特に Web 関連のコースを希望される方が多いそうです。入校志願者の倍率は8倍なので大学に入るより難しいほど増えているとか。人気の要因は分かりませんが、Web の仕事があるのか気になるところ。以前ある人材派遣会社の方の話を伺ったところ、Webの仕事も今年に入って下がってきていると言います(グラフィック系はもっと前からだそうです)。再就職訓練はひとつの教育のフィールドで特殊なところがありますし、独自の課題を抱えていると思います。しかし、話している間に専門学校や社内教育、そして教育ではない Web サイト制作の仕事現場にもいえる共通の課題も見えてきました。 変化が早い Web サイト制作のノウハウに柔軟に対応するために小冊子のように分散化されているテキストブック。組み替えも自由に出来るだけでなく、低コストで『新版』も作れます。通称「キラキラ」 Webサイトデザインとは何だろう? 最近改めて考えさせられる点のひとつです。「印刷デザイン」という言うくらいあまりにも大雑把で広過ぎる表現なので考えると気が遠くなるのでしょうね。 企業サイト、チラシのような1枚ページ、アニメーションを豊富に使ったプロモーションサイト、情報サイト、ショッピングサイト、Webアプリケーション、ブログ・・・どれも Web デザインです。それぞれ「Webサイト」として存在していますが、誰に向けて作っているのか、どういう見方 (使い方) を想定しているのか、サイトの成長の仕方、Web全体との関わり方がそれぞれ異なります。これを今「Webデザイン」とまとめて教育しているのが現状でしょう。 興味深いことに、作っている Web サイトの種類によって同じ言葉も使い方が若干異なることもあります。プロモーションサイトにおける「ブランド」はビジュアルの扱い方が話題の中心になります。それに対し、ソーシャルメディアやブログを使ったコミュニケーションデザインを考えている方は、利用者との対話としながら自分たちが顧客に出来る約束を提示することを「ブランド」と考えるでしょう。両方ともブランドに関わる考え方ですが作っている立場によって強調するところが変わると思います。それが完成品にも反映されています。 同じ Webデザイナーとか言っても捉え方や考え方が違うのは、作っているサイトが違う種類だからという点が大きいでしょう。どちらかが正解ということでもありません。ただ、Web という大きな視点で見たときに何か共通してあるべきデザインはある気がしますけどね。それは単にクリックが出来るとかいうレベルではなく・・・。 このように、ひとつの言葉にしても捉え方が違うわけですから、Webサイトデザインを学ぶといっても大変なことです。 入学したときに、どのような Web サイトデザインを目指すかを明確に分かっている人はいません。学びながら見えてくることですし、仕事をして初めて分かることすらあります。しかし教える側としては短期間でこの気の遠くなる「Webデザイン」を実践的な形で教えなければならないというミッションがあります。 この記事のように延々と概論を話しているわけにはいかないわけです。現場でも同じことがいえるでしょう。考えてないで作れということになっていないでしょうか。そうしなければならない状況はあるでしょうけど、それでは仕事ではなく作業ですよね。教育でも実践と概論のバランスはとても難しい課題のようです。 ギャップを埋める方法はある 業界間や専門家の間に「ギャップがある」という言葉はよく聞きます。今回、お話を伺った際でも「ギャップ」という言葉が何回か出てきました。テラハウスでは生徒の派遣先になるような制作会社を常に探しているそうですが、見つけ難いそうです。制作会社のほとんどは公式のWebサイトはありますが、作品事例だけではなく、そこで働いている人がどんな人たちで、どのような人材を求めているのかが分かるコンテンツがなかなかなく、見つけ難いという結果になっています。 スタッフの募集でもなければ、どのようなスキルセットをもつ人を求めているのかは知ることは出来ません。しかし、どのような職場でどのような人が何を考えて仕事をしているのかということは常に出せる情報ではないでしょうか。それがブログなのかもしれませんし、Twitter 経由で発する短い言葉なのかもしれません。又は気になるサイトを淡々とブックマークするだけでも良いかもしれません。重要なのは作品という過去のカタログではなく、その人がどのような姿勢で仕事をしているのかという「今」を知らせることだと思います。 私たちは物理的な空間のギャップを持ちながら仕事をしているのは確かです。しかし、ネットではそのギャップがあやふやです。情報発信さえしていれば思わぬとこで誰かに出会う機会が存在しています。自分が届けたいと思っている人たちへ最初は届かないかもしれません。しかし情報を発信し続けること、そして届けたいと思っている人たちにとって有益なコンテンツ、又は思いがあれば必ず届きます。ネット上においてはギャップは作られたものではなく、自分たちで作っているものと考えても良いかもしれません。 情報が来るのを待つのではなく、こちらから能動的なアクションをするという姿勢をもつことは教育をする側、される側、そして仕事をしている人それぞれ必要です。コミュニケーションをとることは時に面倒な作業ですし、目先の利益にもならないことが多いです。能動的なアクションは時に勇気が必要です。たくさんのエネルギーがなければ出来ないこともあるでしょう。 短期では分かりませんが、中長期という少し長い目でみれば、情報発信することは自分にとっても職場にとっても業界にとってもポジティブなことといえるでしょう。
Progressive Enhancementに関する調査結果
2009年7月2日 3:39 amこのエントリーは「質問: ウェブサイトの見た目は同じにしなければならないか?」の続きにあたります。 もう1ヶ月前になってしまいましたが、ついに結果を発表出来るようになりました。有効回答数は 134 とサンプルとしては良い数になりました。ひとつの調査結果として捉えるには十分な数ですが、私のサイトと Twitter で告知したということもあり、若干偏っている可能性があるのでご了承ください。前回のTwitter経由でいただいた回答も一緒にご覧になるとおもしろいかと思います。 回答に参加していただいた皆様、本当にありがとうございました。 回答された方の役職はコーダーとデザイナーが半数を占めるものの、様々な役職の方が均等にいるという印象があります。今回は複数回答をアリにしましたし、特にこれといった定義付けもしなかったので、立ち位置を自分なりに考えてもらった結果が反映されています。ブロガーと名乗る方も 9% いらっしゃるので自分のサイトで何か情報発信をしつつウェブサイトの仕事に携わっている方が少なくとも 12,13 はいるというのが分かります。 いろいろな役職をこなしている方が大多数なのかと思いきや、役職を1つだけ選択した方が4割以上いました。しかし、2,3チェックしている方が半数いらっしゃるので、肩書き、仕事内容、回答者の考えるイメージというのは必ずしも一致していないのかもしれません。定義することも難しいわけですから、こうした結果になるのは予想出来ますね。何でもやるのは大変ではありますが、おもしろい部分でもあります。 Progressive Enhancement の認知度は「聞いたことある程度」も含めると半数以上にのぼりました。認知度は役職ごとにどう違うのか調べてみると、コーダーの 2/3 の方が知っているのに対し、デザイナーやディレクターは半数の方が知っているという回答をされていました。コーディング、特に CSS や JavaScript に触れる機会が多い方になればなるほど Progressive Enhancement への理解があるのかもしれません。ただこうして文章を書くと感じることですが、毎回英単語でこの言葉を表現しなければならないのは少し厳しいですね。プログレッシブ・エンハンスメントとカタカナ表記も長過ぎて分かり難いですし。困ったものです。 半数の方が Progressive Enhancement の考えを肯定的に捉えているものの、やはり現実は厳しいのではないかと考える方が大半を占めています。出来る度合いは様々ですし、こうしなければならないルールもありませんから、Progressive Enhancement の意味の理解も含めてノウハウが共有されることによって徐々に解決される課題だと思います。 私のサイトの読者中心だからなのかもしれませんが、すべてのブラウザで同じ見た目にする必要はないと考える方が大半のようですね。こうして多くの方が考えているものの、仕事でそういった考えを反映させて形作れる機会が少ないというのが現状なのでしょうか。 特定の役職の方だけが同じ見た目にする必要はないと考えているのかと思いきや、若干コーダーの支持率が高いものの、ほぼ同じという結果になりました。仕事に携わっている方にとってはひとつの共通認識であるわけですから、ウェブの特性であり特徴をクライアントにどう伝えるのかが課題でしょう。 少数とはいえ、やはり見た目は同じにしたいと考える方はいらっしゃいますし、「同じ見た目にする必要はない/出来ない」と考えている方でも、仕事では同じ見た目になるように努力されている方もいます。結果を見ると「同じ見た目にする=品質」と関連付けられているという印象があります。確かに品質と捉えることは出来るのですが、ウェブにおいてそれが本当に品質として成り立つのかどうか・・・考える余地はあると思います。 この記事とは別に調査結果を1枚の PDF にまとめたものを作りました。とりあえず保存してとっておくのも良いですし、同僚や知り合いに見せるのにも使えるかと思います。ご自由にお使いください。 Progressive Enhancement とウェブサイトの見た目に関する意識調査1枚シート (PDF) のダウンロード (表示-非営利-継承 2.1 日本)
コンテンツを活かすためのサイト制作
2009年4月15日 11:51 amウェブサイト制作の仕事をしているとはいえ、サイトの情報構造やインターフェイスについて考えているだけではありません。どのようにしてサイトにコンテンツを掲載するのか、それらをどのように管理していくのか、なぜそのコンテンツをサイトに掲載する必要があるのか検討しなければいけません。クライアントによっては掲載したいコンテンツが漠然であったり、壮大な場合があります。クライアントのニーズに応じて、CMSに頼る部分を検討する必要もあります。ウェブの媒体を活かした戦略はあるので、それがどういったものか、専門用語も含めて解説を行ったり、フィードバックをするプロセスがあります。 これがデザイナーの仕事なのかといえば、違うのかもしれません。私が好んでこうしたやりとりをクライアントとしているのは、デザインをするための材料であり、中心的存在となるコンテンツについて考える時間に参加して調整が出来る点にあります。ウェブサイトは立ち上がったので終了というより、立ち上げてからどうサイトを成長させるのかが重要です。最初の段階でクライアントとコンテンツについて考える時間を設けることは、同時に立ち上げた後のプランも立てやすいですし、成長した姿も共有しやすくなります。 最近だとソーシャルメディアという誰もコントロールが出来ない『ユーザーの声』というものが存在します。コントロール出来ないとはいえ、上手く共存をすることによって企業にとってプラスになることもあります。まず、そうしたメディアが存在することを知らせることが重要ですし、それらにどう反応するのか、誰が発言をするのかを検討する必要もあります。また、クライアントが何を見ればユーザーの声が見えるのかガイドをし、見せてあげるのもソーシャルメディアの力を知ってもらう機会になります。 SEOのルールナンバーワンは「良いコンテンツを掲載する」ことだと思います。作る前に誰に何を伝えたいのか、そしてどのようにしてコンテンツを追加して管理していくのか考えるのは、サイト制作者だけでは出来ないオルガニックなSEOを実現します。また、コンテンツも次第に整備されていくので、利用者にとってコンテンツが見つけやすいサイトにもなります(もちろんコンテンツが増えても見つけやすいように補助するためのデザインがあってこそですけど)。 コンテンツをいただいて作るという制作の形では、成長し続けるサイトを作るのは難しいです。コンテンツはクライアントが抱える課題ではなく、サイト制作をしている側にとっても同じです。コンテンツが重要なのはもう昔から言われていることです。ウェブという場でどのようにしたらコンテンツが活かせるのかを知っているのはクライアントというより制作側の場合が多いです。逆にコンテンツのどの部分が重要で、何を本当は伝えたいのか知っているのはクライアントです。コンテンツについて学び、ウェブへの進出を促進し、実践出来る環境を整えるのがウェブサイト制作の重要なミッションです。
Web creatorsで連載を始めました
2009年2月18日 6:03 pm先月発売された Web creators 3月号からになりますが、連載をもつことになりました。「WebデザインxIT フォーカスノート」と題して、毎月デザイナー向けの技術関連の記事を執筆しています。ITというとかなり幅が広く、専門的なところも突き詰めるとキリがないですが、ウェブデザイナーが知っておきたい技術と、ウェブデザインとの関連性を紹介する短い読みものです。 この連載記事に挑戦してみたいと思ったきっかけは、ビジュアルデザインが中心の誌面で少し突っ込んだ技術の話が出来るという点にあります。ウェブデザイン雑誌でもコードという側面から技術が紹介されることがありますが、それらは見た目を実現するための手段だけで、技術そのものの解説ではありません。また、ソリューションとしてのデザインと技術の関係を表しているわけでもありません。見た目と技術は相対した関係ではなく、一心同体なのでその親密性を連載を通して伝えることが出来れば良いなと考えています。 どのような技術があり、何がサイトのアクセスに影響しているのかを知るか知らないかによって、利用者のサイト体験に大きな影響を及ぼします。異なるブラウザのバージョンによって見た目が変わるという視覚的な違いだけでなく、利用者がアクセスしているデバイスや、サーバーに実装されている技術により同じサイトでも使い心地が変わるという感覚的な違いもあります。今後紹介される技術は後者にあたる感覚に影響するものが多くなるでしょう。 なお連載記事は、雑誌の発売後になりますがウェブサイトで公開されるので、興味がある方はぜひどうぞ。
