Keywordセミナー

WCANで今後のWebと利用者について話しました

2009年12月25日 7:22 pm

WCAN2009で話した7つのキーワードは、一見マーケティング寄りに聞こえますが、今後のWebサイト制作のあり方を考える上で重要なものばかりです。なぜならこれらのキーワードは利用者を意識することにも繋がるからです。

青森でコンテンツをテーマにマーケティングの話をしました

2009年7月25日 4:59 am

青森県主催で開催されたWeb マーケティングセミナーにて「コンテンツを活かすために私たちができること」というタイトルでプレゼンをしてきました。先月開催されたSwapSkills のセミナーに引き続きコンテンツをテーマにした話。SwapSkills の際は Web サイト制作者に向けた話だったのに対し、今回はそれだけでなく、ウェブマスターや企画に携わる側の方にも通じる内容でした。 コンテンツとマーケティングという2つの言葉が同じ記事や話にでてくる場合がありますが、今後ますますその機会は増えると思います。Web の特性を活かしたコンテンツのあり方を探求し、開発していくだけでなく、作り上げたコンテンツをいかに利用者に見てみもらうのかということを、自社の Web サイトという枠組みを超えて考えて行く必要があります。Web 上にある様々なソーシャルメディアサービスを使いこなせれたら素晴らしいですが、段階的にステップを踏みながら徐々に Web でのコンテンツの出し方を模索していくと良いでしょう。いきなりブログをする前に出来ることは幾つかあります。 「コンテンツは大事だ」というフレーズは随分前から言われていますが、未だにイメージ先行で自己主張だけが強いサイトは少なくありません。見た目は素敵だけどなんとなく使い難いと感じるサイトがその部類といえるでしょう。特に TV で見られる傾向ですが、自社ブランドを伝えるとき、視聴者/利用者にとっての利益を伝えるより、漠然としたイメージが先行するときがあります。つまり、利用者視点というより、自社の素晴らしさを抽象的に利用者に関連づけさせていると言えます。限られたスペースと時間で何かを伝えなくてはならないので、それはひとつの方法だと思いますが、無限に広がる空間であり、同時多発に様々な人たちが会話をしている Web で同じ手法は通じません。イメージを伝えるのも重要ですが、それ以上に利用者の視点で有益に感じられるものを明確に伝える必要があります。 「ブランドの約束」とは顧客と企業との信頼関係を築くことですが、それをイメージではなくコンテンツで伝えること。そして彼等にとって有益、又は楽しく感じてもらえることで、コンテンツが自社サイトを超えて今までリーチ出来なかった方に届く可能性が出てくると思います。コンテンツが自社の製品であるという意識をより高めると同時に、コンテンツにコストをかけるための時間やヒントを提供するのが Web サイトを制作・企画している方のひとつのミッションといえるでしょう。 コンテンツ開発やデザインに関する全体的な考え方は他の分野とそれほど変わらないと思います。それと同時に、Web には決定的な違いもあります。そうした部分を理解するとしないとではエンドプロダクトが大きく違いますし、広がりかたも異なります。純粋にプロモーションや話題作りのためであれば、イメージ先行でアッと驚くことをすれば良いと思いますが、利用者 (顧客) との接点を築きたいというのであれば、利用者視点で有益なコンテンツとコミュニケーションをとる体勢が必要とされます。 今回のセミナーが、そのための最初のステップが踏むことが出来るヒントになっていれば幸いです。制作寄りの話はほとんどありませんでしたが、制作をしている方もぜひ考えて頂きたい重要なトピックだと思います。 絵ばかりでご来場していただいた方以外には参考にならないかもしれませんが、当日使ったスライド (1部削除してあります) を公開します。同じライセンスであれば自由に使っていただいて結構です。 aomori2009.pdf (PDF形式 27.1MB)

「セマンティックなマーク付けとメタデータの活用」に参加してきました

2009年7月7日 10:30 pm

先週の土曜日になりますが、サイバーガーデンbiz主催、神崎正英さんによる「セマンティックなマーク付けとメタデータの活用」というセミナーに参加してきました。2時間半という長丁場でしたが、セマンティクウェブというスケールの大きい話なので、時間がいくらあっても足りない感じがしました。その中、神崎さんの見解も交えてコンパクトにまとまった内容だと思いました。 スライドは既に公開されているので参考にどうぞ。 何が簡単でシンプルなのか 今回のセッションで「簡単」と「シンプル」という言葉が何度も出てきました。神崎さんがこの言葉をどのような意味を含めて語っているのかが重要だと思います。例えば、クライアントや利用者のためにウェブサイトを作るという仕事をしている視点から「簡単」や「シンプル」という言葉を捉えるとすると; 実装コスト (時間とお金) が低い 実装に伴うリスクが低い 今使っているノウハウでどれだけ実装が可能か 以上のことを連想すると思います。もちろん、RDFa のことを学ぶことは、プログラミング言語に比べると簡単ではありますが、神崎さんは上記のことを踏まえて「簡単」と「シンプル」という言葉を使ったわけではないと思います。その言葉のもつ捉え方が異なると、結局セマンティックウェブは「難しい」ということになるかと思います。 言葉と言葉、意味と意味が繋がりあうことで、World Wide Web を通じたコミュニケーションをより豊かなものにする可能性を秘めているのがセマンティックウェブの基本的なコンセプトだと思います。それをマークアップという非常に単純な構造を利用することよって実現可能になります。従来、それが理論上の話であり、一種の理想論でしたが、それが実装可能な状態になってきた。しかも、実装の段階は様々だしアプローチも幾つか出てきています。プログラミング言語より簡単ですし、自分が出来る範囲内で実装出来るという意味で「簡単」ですし、意味付けマークアップをするだけというのも「シンプル」です。 ※ 英単語をどれだけ知っているか知らないかでシンプル度に随分差が開きそうですけどね。 マークアップにバリューを 神崎さんが言う「簡単」と「シンプル」を理解したからといって、仕事に活かすことが出来るかといえば、またそれは別の課題です。最も導入がしやすい Microformats は自動生成ツールが充実しているとはいえ、アッという間に出来るものではありませんし、時間が必要とされるものです。また、マークアップは視覚的に映し出されませんし、現状特殊なツールを使うことでしか効果がないのも、実装に足踏みしてしまいがちです。 セマンティックウェブだけでなく、SEO、アクセシビリティ、ユーザビリティにおいてマークアップはとても重要です。先月のセミナーでも指摘しましたが、マークアップはビジュアルデザインをブラウザ上に表示させるための枠組みという要素が強い場合があります。開発行程の一番最後にマークアップがある間はセマンティックウェブはもちろん、高いウェブアクセシビリティの提供も難しいでしょう。行程の見直し、そしてマークアップの価値を高めることが今後の課題といえます。 将来、マークアップのある程度の自動化は出来ると思います。ただし、書かれている文章を機械でも分かるように『翻訳』する作業は人間が行わなければなりません。セマンティックウェブの考え方はマークアップの価値を高めるひとつの要因になるかと思います。 「セマンティック HTML/XHTML」は読み物としては難解ではありますが、他の技術書にはない切り口からセマンティックウェブの話に繋げて行く文章や構成は素晴らしいなと感じました。丁寧に書かれていると同時に、神崎さんのセマンティックウェブに対する熱い思いが伝わりますし、それが結果的に情報の幅とボリュームとして現れているのではないかと思います。 あと今回は、久しぶりにセミナーのメモをスケッチ致しました。Twitterで実況中継もリアルタイムならではのおもしろさがあるので好きですが、絵にして残すのも楽しいですね。 関連記事: WebSigで語ったセマンティックウェブの未来

Web Directions East を終えて

2008年11月19日 9:23 pm

もう10日も前の話になりますが、Web Directions East (WDE) が無事終わりました。夏の初めからずっと携わっていたので、4ヶ月くらいこのイベントに関係した作業やお手伝いをしていました。主に僕は執筆関連が多かったかもしれませんね。こちらでは告知していませんでしたが、東京IT新聞のほうでもミニ連載をしていました。 『スペック』がイベントの価値ではない 運営のお手伝いをしていた僕でも、WDEの参加費用はウェブ制作関連のイベントでは挑戦的だなと思いました。スピーカーを日本へ呼んだり、同時通訳のことを考えると仕方のない費用ではありますが、金額では計れない体験にどう注目してもらうかに苦労しました。海外では名が知られている方達が来日したとはいえ、海外のニュースにアンテナをのばしていなければ、ただの『外人』といっても良いかもしれません。スピーカーがどういった方なのか、そして彼等の仕事がいかに自分の仕事に影響しているのかを紹介することが自分の中では最初の課題でした。 カンファレンスとは・・・と言うとそれぞれ違った価値があるのは当然です。ただ、1時間くらいの話を聞いただけでスキルが上がるということはまずないでしょうし、ウェブというオープンな世界で仕事をしている以上、革新的に新しい情報がカンファレンスに参加することで得れることもないでしょう。むしろそれを期待していると、(WDEだけではないですが) カンファレンスはとても不満足なものになると思います。 どういった情報を得れるかといった『スペック』を求めるのであれば、ワークショップに参加したり、学校へ行ったり、書籍を熟読したほうが効率が良いでしょうし、満足度も高いと思います。 そこにいるという体験の尊さ 僕の中ではカンファレンスは、体験の場だと思っています。これは、カンファレンスだけでなく勉強会という名の集まりにも言えますが、『同志』と呼べる人たちがひとつの場所に集まって同じ方を向いて考えたり雑談出来ることが価値なのではないかと思います。たとえ会話に参加出来なかったとしても、そこにいるという空気を体感することはブログエントリーを読んでいるだけではなかなか伝わってこないエネルギーだと思います。 そもそも、僕がスライドを無料で公開しているのも、情報を共有したいという思いからしていることではありますが、スライドを見たとしてもセミナーに来て話を聞いた方の体験とはイコールにはならないという安心感から公開しているという部分はあります。本当にすごいスピーカーというのは、国内外問わず自分が話しているトピックに対して情熱を持っている点にあります。たとえ静かに話す方でもエネルギーがある人とない人の違いは明確ですよね。そのエネルギーはその場にいないと感じないですし、そのエネルギーがあるからこそ、話が伝って来ますし、インスピレーションに繋がっていると思います。 ライブアルバムを店頭で買えるからといって、ライブと同じ体験かと言ったらそうではないし、ライブに行く価値はチケット代だけでは計れないです。 「ユーザー体験は大事だよね」と言っている我々だからこそ体験に価値を見出せるようにしたいですし、『スペック』だけで価値を計らないようにしたいです。 海外スピーカーがスゴいと思う唯一のこと 実はスキルセットだけのことを言うと、海外スピーカーが突出してスゴいということはないと思います。CSS や JavaScript に関してスピーカーより知っている方は会場にもいたと思いますし、日本中にもたくさんいます。スキルに関していてば、海外と日本の差ってそれほどないと思いますし、日本の方のほうが勝っている点は少なくないと思います。では、海外の方の話を聞くことは、日本の方の話を聞くのと違いはないのでしょうか。 先述したようなスキルという名の『スペック』でスピーカーを比べるとしたら、日本語で聞ける日本人スピーカーの方が分かりやすいです。話の上手さは国内外で分けるというより、個人差にかかっています。それでも、海外の方と話を聞いたり、会話をしていて「スゴい」なと感じるのは、彼等の視野の広さだとです。 印象的だったのがワークショップで Eric Meyer が Browser History Timeline をどのように作ったのかを解説しただけでなく、どう考えて今のような形にしたのかを解説していたときです。デザインプロセスを解説することで、要素の表示タイプを柔軟に変化させることでレイアウトの表現は大幅に広がるという CSS の基本ではありながら、固定概念により無理だと勘違いしていた部分を、実例を通して『気付き』に繋げていたと思います。彼は CSS の使い方ではなく、CSS の考え方をレクチャーしていたという印象がしました。 明日、明後日使えるテクニックではなく、これからの変化にも対応するための応用力、視野を広げて思考出来るところがスゴいなと思います。第一線で仕事している Meyer 氏でも、ちょっと夜遅くまで起きて CSS をいじって楽しんでいるというのは素敵ではないですか。他の分野と同様、ウェブサイト制作にも様々なルールや規則はあります。それらを尊重しつつも、壊したり超えたり改造して模索しているのが、今回来たスピーカーで共通していることかもしれません。 それらを惜しみなく世界へ向けて公開したり、フィードバックを得たり、対話をしているという部分も無視出来ない部分です。 もちろん、日本の方でそういった姿勢でやっている方は少なくないですが、もっと多くても良いかなと思います。技術や仕事という名の制約にこだわらずにデザインやウェブの可能性を楽しむ時間はもっと増えて欲しいですし、それらを英語という言語の壁を越えて世界に向けて共有してほしいですよね。いずれ Web Directions South で日本人スピーカーがいるのが当たり前な日が来るかもしれません。 もっとコミュニケーションが必要かも 日本は独自路線・・・なんて言いますが、それぞれの国でそれぞれの路線というのは存在します。アメリカとイギリスという同じ英語圏でも差はあります。独自の部分を踏まえて共通のビジョンを世界へ伝えたり、独自性を分析・解説していくことも必要とされています。そして、それらの情報やノウハウを踏まえた実例も必要とされています。 一個人が世界へ視野を広げても仕方ないと考えるかもしれませんが、それが可能なのがウェブです。今回 WDE で来日したスピーカーも、元々ひとりの活動が結果的に我々が頻繁に使っている『テクニック』になっていることがあります。ひとりが業界もしくは世界へ何かしらの影響力を与えることが出来るわけです。何かを作る・・・という形でなくても、何かを伝えるだけでも違います。こっそり独り言ではなく、多数に向けて意見を発することが変化への第一歩になることもあります。 英語が一番ダイレクトに世界へ繋がりやすいですが、日本語で書いたとしても世界のコミュニティへ繋がる窓口があると良いのかもしれません。もしかするとテクノロジーが解決してくれるかもしれません。意見は発していかなければいけませんし、それが日本の存在感を高めるひとつの方法になるかもしれませんね。

WebSigで語ったセマンティックウェブの未来

2008年10月20日 2:43 pm

先日 WebSig 24/7 で、「あなたが創るセマンティックウェブ」という題名で講演しました。RDF や Ontology といった専門的な言葉をほとんど使わないで、セマンティックウェブを啓蒙するという少し変わった視点で話をしました。個人的には、いかに技術的な側面を前に出さずにテクノロジーや未来を語るのに興味があったので良い機会でした。 このアプローチは「技術は重要ではない」という意味ではありません。技術もデザインも前面に出て自己主張するのではなく、根底を支える重要な部分です。技術、デザインを考慮することはむしろあたり前でそれらを無視して話をするのはナンセンスです。しかし根底だからこそ、いかに見せずに魅了させるのが、何かを啓蒙するときに必要なアプローチだと思います。たとえそれが専門用語が分かる同業者であったとしても、ただ聞かせるのではなく見せて表現することによってより伝わりやすくなります。 プログラマーはソースコードを公開することでウェブやコミュニティに貢献しているのと同じようにデザイナーはモックアップやアイデアを公開していくことで貢献出来ると思います。セミナーに続くという形で行われたワークショップは、それを体現したものといえます。多くの方達が参加してひとつのことに取り組むことで、様々なアイデアが生まれるだけでなく課題も見えてきます。アイデアを出し合ってまた洗練させるというプロセスを繰り返すことで初めて見えることも少なくありません。ワークショップやウェブ上で WebSig であったようなアイデアの交換が出来たら良いな。 現状維持するためのノウハウも仕事をしていく上で重要なことですが、ウェブという未来を作っている仕事についている訳ですから、未来に向けたディスカッションや情報交換は必要だと思いますし、ますます重要になってくるのではないかと考えています。 何事にもいえることですが、セマンティックウェブは良いとばかりではありません。セマンティックウェブが普及することによる課題もあります。セマンティックウェブがもたらす光と闇をバランス良く描き疑問を投げかけている例として、4年前にネット上で話題になった EPIC があります。あと5年でこういった世界になるのかは分かりませんが、目指している場所は近いような気がします。自分にとって気分の良い情報ばかり目の前に現れるようになってしまうと、それはそれで視野の狭い生き方になってしまいますね。 ウェブは好きな情報を手に入れることが出来るという魅力だけでなく、選択を与えてくれるという魅力もあります。特定の人やメディア媒体だけが「すべて」で「事実」だった時代はもう昔の話だと思います。ひとつのトピックに対して様々な角度から知ることが出来、自分なりに情報を吟味出来ます。自分から発信したい情報も何を誰に対してどれだけ発信したいかというのも選択出来ます。選択の自由というウェブのもうひとつの魅力がセマンティックウェブとどう関わるのかも興味深い点です。 スライドは無料でCreative Commons 表示-非営利-継承 2.1 日本というライセンスで公開されています。リンク付きの PDF なので関連サイトなどじっくり見たい方はぜひどうぞ。 semanticweb.pdf.zip (Zip圧縮 25.11MB)

About

東京在住の「デザインする人」長谷川恭久の個人サイトです。

2008年2月より、新しい CMS を利用して再スタートしました。以前の記事はこちらのエントリーリストを。そして、たくさんの方に読まれた人気記事が読みたい方ははてなブックマークの注目エントリーを参考にしてください。

Feedbacks
  • nonko: とても参考になりました。 あとは実践のみ!! 《成せばなる?!》かな??? おじけずにスタート目標日を決めて 走り出そうと思っています。   ありがとうございます。
  • nonko: まだまだ未熟な読者ですが… まずは《やってみる》とゆうチャレンジの気持ちを湧き立たせて戴 けたようで 少しワクワク♪♪♪しています
  • 百十番: >その価値をいかにマネタイズするのかが今後の課題ですが 、 この話は、もう10年以上語られていますが今だに巧妙は見えず、 ジャーナリズムの衰退には逆に拍車が掛かっていると思います。 >硬派な分野では...
  • ヤスヒサ: @techforlearning 教育とソーシャルメディアの相性は良さそうですね。日本ではブー ムがすっかり去ってしまった Second Life ですが、海外では遠く離れた学校間のコミュニケーションの場とし て...
  • techforlearning: こんにちは。いつもYasuhisaさんの示唆に満ちたエントリ 、勉強になっています。私は学校サイトの運営をしていることから 、WebsaYoutube, Twitter, Facebook,...