Keywordコンテンツ

気づき・理解・納得を導きだす問いかけ

2009年8月20日 12:37 am

製品を「購入したい」と思うとき、デバイスを手に取って「私にも使えると」感じるとき、良いサイトを見つけて「また訪れよう」と思うとき。それぞれ異なる状況ではありますが、共通の思考プロセスが働きます。「ソーシャルイノベーションデザイン」という書籍によると、そのプロセスには3つのステップがあるそうです。 まず第一に自分はこれが必要だと感じる最初のきっかけ「気づき」。第二に必要性の「理解」を深めていき、第三の「納得」に繋がることで購入や再度の利用というアクションに繋がるといわれています。書籍では製品の購入に対して上記のプロセスを挙げていましたが、コンテンツを活かしたサイトや Web サービスにも言えることだと思います。 Webサイトに掲載されているコンテンツが利用者にとって適したものになっているかどうか、まずは簡単な質問をしてみることが最初のステップになります。では、上記に挙げた3つのステップを意識してコンテンツに関する質問をするとどのようなものが出てくるでしょうか。「気づき」「理解」「納得」をキーワードに分類して質問を考えてみました。 気づき 利用者のゴールを満たす内容になっていますか? 利用者はコンテンツを流し読み出来るようになっていますか? 情報の種類に応じて整理や構成がされていますか? 理解 掲載されているコンテンツは正確で最新のものになっていますか? 利用者が探しているトピックについて十分な情報が提供されていますか? 利用者とって分かり難い用語や略語が使われていませんか? 納得 利用者のニーズに応じて別フォーマットでコンテンツが提供されていますか? 適切なキーワードを使えば利用者が探しているコンテンツに辿り着けますか? コンテンツが発するメッセージやスタイルは利用者に適したものになっていますか? 「利用者」と漠然とした書き方になっていますが、実際はペルソナを作るなどをしてターゲットにしているしている利用者を明確にする必要があります。以前も書きましたが、コンテンツとは単にメインセクションに書かれている情報だけのことを指しているのではなく、ナビゲーションやラベリングも含まれます。広義にコンテンツとして捉えると、上記の質問は Web サイト制作プロセスの様々なフェイズで問いかけることが出来る質問だと思います。 完成に近づいたときにみるチェックリストとしての質問というよりかは、常に自身に問いかけたり、自分が作ったサイトを一歩下がって見るときの質問だと思います。

コンテンツにフォーカスした質問の仕方

2009年8月2日 9:01 pm

セミナーや記事を通してコンテンツを活かす方法を幾つか紹介してきましたが、サイトデザインを考えるときと同様、まず質問を投げかけるのが道筋を作る手がかりになる場合があります。「これはサイトにとって良いコンテンツか?」といった単純な質問をするのではなく、質問を洗練させていくことで、よりフォーカスされたコンテンツ開発につながる場合があります。 サイト開発に携わる役職は様々。携わる役目も違えばサイトの捉え方も違ってきます。サイトナビゲーションひとつをとっても、ユーザビリティ、IA、グラフィックデザインの切り口によって出てくる質問が異なるでしょう。それは、コンテンツ視点でも同じです。ナビゲーションもコンテンツの一部として捉えるとが出来、サイトや利用者にとって最適なのか判断の手がかりになる質問が出てきます。 例えばナビゲーションに対して、「このコンテンツ (ナビゲーション) はサイトの役割とゴールに適した文体になっているか?」という質問をしたとしましょう。ラベリングや用語が統一されているかのチェックだけでなく、付随している文章のトーンも一定なものになっているかの確認に繋がります。特に文章のトーンは企業ブランドにも直結する要素です。基本的なことではありますが、コンテンツを活かすためのプロセスですし、サイトの統一感が増します。 他にも「このコンテンツは利用者にとって正しいフォーマットか?」も大事な質問です。利用者のタスクやニーズに最適化されたコンテンツになっているかといった UX と共通する部分になります。会員制が良いのか、SNS の要素がいるのか、デスクトップアプリケーションのほうがふさわしいのか、サイト全体をひとつのコンテンツとして捉えてみる機会になります。場合によってサイトの構築の仕方も変えなくてはならないこともあるでしょう。ページ単位のコンテンツが最適化されていたとしても、フォーマットが最適でないとうまく利用者に伝わらないこともあります。 サイト上の文章やそれに添えられている画像のみをコンテンツとして捉えるのではなく、サイトすべてをコンテンツを考えることがコンテンツにフォーカスした質問をするコツです。すべてをコンテンツとして見なすことにより質問の仕方もいろいろ出くるだけでなく、コンセプト、ワイヤーフレーム、IA、そして UX へのきっかけになる場合もあります。サイト開発には様々な人が関わる場合があり、それぞれ視点は違いますが、コンテンツがコミュニケーションの共通項になるかもしれません。

青森でコンテンツをテーマにマーケティングの話をしました

2009年7月25日 4:59 am

青森県主催で開催されたWeb マーケティングセミナーにて「コンテンツを活かすために私たちができること」というタイトルでプレゼンをしてきました。先月開催されたSwapSkills のセミナーに引き続きコンテンツをテーマにした話。SwapSkills の際は Web サイト制作者に向けた話だったのに対し、今回はそれだけでなく、ウェブマスターや企画に携わる側の方にも通じる内容でした。 コンテンツとマーケティングという2つの言葉が同じ記事や話にでてくる場合がありますが、今後ますますその機会は増えると思います。Web の特性を活かしたコンテンツのあり方を探求し、開発していくだけでなく、作り上げたコンテンツをいかに利用者に見てみもらうのかということを、自社の Web サイトという枠組みを超えて考えて行く必要があります。Web 上にある様々なソーシャルメディアサービスを使いこなせれたら素晴らしいですが、段階的にステップを踏みながら徐々に Web でのコンテンツの出し方を模索していくと良いでしょう。いきなりブログをする前に出来ることは幾つかあります。 「コンテンツは大事だ」というフレーズは随分前から言われていますが、未だにイメージ先行で自己主張だけが強いサイトは少なくありません。見た目は素敵だけどなんとなく使い難いと感じるサイトがその部類といえるでしょう。特に TV で見られる傾向ですが、自社ブランドを伝えるとき、視聴者/利用者にとっての利益を伝えるより、漠然としたイメージが先行するときがあります。つまり、利用者視点というより、自社の素晴らしさを抽象的に利用者に関連づけさせていると言えます。限られたスペースと時間で何かを伝えなくてはならないので、それはひとつの方法だと思いますが、無限に広がる空間であり、同時多発に様々な人たちが会話をしている Web で同じ手法は通じません。イメージを伝えるのも重要ですが、それ以上に利用者の視点で有益に感じられるものを明確に伝える必要があります。 「ブランドの約束」とは顧客と企業との信頼関係を築くことですが、それをイメージではなくコンテンツで伝えること。そして彼等にとって有益、又は楽しく感じてもらえることで、コンテンツが自社サイトを超えて今までリーチ出来なかった方に届く可能性が出てくると思います。コンテンツが自社の製品であるという意識をより高めると同時に、コンテンツにコストをかけるための時間やヒントを提供するのが Web サイトを制作・企画している方のひとつのミッションといえるでしょう。 コンテンツ開発やデザインに関する全体的な考え方は他の分野とそれほど変わらないと思います。それと同時に、Web には決定的な違いもあります。そうした部分を理解するとしないとではエンドプロダクトが大きく違いますし、広がりかたも異なります。純粋にプロモーションや話題作りのためであれば、イメージ先行でアッと驚くことをすれば良いと思いますが、利用者 (顧客) との接点を築きたいというのであれば、利用者視点で有益なコンテンツとコミュニケーションをとる体勢が必要とされます。 今回のセミナーが、そのための最初のステップが踏むことが出来るヒントになっていれば幸いです。制作寄りの話はほとんどありませんでしたが、制作をしている方もぜひ考えて頂きたい重要なトピックだと思います。 絵ばかりでご来場していただいた方以外には参考にならないかもしれませんが、当日使ったスライド (1部削除してあります) を公開します。同じライセンスであれば自由に使っていただいて結構です。 aomori2009.pdf (PDF形式 27.1MB)

SwapSkillsでコンテンツの話をしてきました

2009年6月29日 3:35 pm

しばらくセミナーで話をするという機会がなかったわけですが、先日SwapSkills 2009 vol.3にて「ウェブに向けたコンテンツ配信と戦略」というタイトルでプレゼンをしてきました。以前からこちらのサイトでも「 コンテンツを活かすためのサイト制作」という記事で改めてコンテンツを意識したウェブデザインの提案をしたほうが良いのではないかと書きましたが、さらに話を広げたのが今回のセッションでした。そもそもウェブのコンテンツは他媒体と何処が似ていて何が違うのかといったところから、効果的なコンテンツと呼ばれる6要素とその事例といった具体的なものまで紹介しました。 「コンテンツは王様だ」という言葉がありますが、その割にはウェブサイト構築において、コンテンツの作り込みは最後のほうにあるケースがあります。また、コンテンツと最も密接な関係にあり、なおかつビジュアルやインタラクションを繋げる役目であるマークアップも、最後の行程にあることもしばしば。コーディングをする方は最善の努力をしているものの、コンテンツを意識したマークアップというより、ビジュアルを保持するためのマークアップになっている場合もあるのではないでしょうか。ウェブサイト構築の行程をみるとコンテンツを王様のように作れていないケースがあると思います。 Web Directionsなどを通じて海外の方がどのようにサイトを構築していくのか見れる機会がありましたが、彼等はマークアップをしてからビジュアルを少しずつ付け足しています。Photoshop や Illustrator などを使って青写真は作っているものの、実際の作り込みはすべてマークアップがしてある文書上で行っているという印象を受けました。理想的な形のデモンストレーションと捉えることは出来ますが、ページ、サイトの情報構造を意識したり、ウェブの特性を活かしてコンテンツを掲載することを考えると必然なのかなと思います。 今では導入が当たり前になりつつある CMS ですが、実は CMS がコンテンツを活かしたウェブサイト作りの妨げになる場合もあります。汎用性が高く、効率的と呼べるかもしれませんが、デザインがテンプレート化 / カタログ化してしまいがちですし、すぐに作れることからコンテンツへのケアが後回しになってしまう可能性もあります。もちろん、これらは CMS そのものの欠点ではありませんが、道具というのは上手に使わないと良からぬ結果になりかねない一例といえるのではないでしょうか。 こうした話題は今後セミナーでも話すかもしれませんし、サイトのほうでは関連記事を幾つか書いて行こうと思います。また、同イベントで講演された株式会社エヌプラスの中村さんの話も大変興味深い内容でした。そのときの模様は Twitter のほうで実況中継致しましたので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

簡単にコンテンツが最適化されているかを見る方法

2009年4月21日 5:03 pm

サイト運営側が「こうみられたい」と考えて作ったコンテンツでも、実際は異なる捉え方をされている場合があります。外からどのように捉えられるかを調べる方法のひとつとして Google のウェブマスターツールがあります。サイトがインデックスされているか、そして検索結果にどのように表示されているのか、調べることが出来ます。取得出来る幾つの情報の中に「上位の検索クエリ」という統計があります。 統計データは2つの順位表に分かれています。左側がサイトのページの表示に最も多く使用された検索クエリ。そして右側が実際のクリックに繋がったクエリになります。地域や検索の種類、そして期間で絞り込んだ結果を出すことも出来ます。サイトに記載されているキーワードがランキングで表示されているので、利用者からみたサイトのイメージを漠然と捉えることが出来ます。このデータから2つの可能性と対策が考えられます。 これらがあなたのサイト (もしくは企業サイト) を象徴するキーワードになっているかどうか。ズレが生じているのであればコンテンツのテーマを絞り込んだり再検討が必要とされます。 特定のキーワードが検索結果の上位には来ているものの、あまりクリックがされていないのはあるかどうか。この場合、タイトルや概要の表現がよくない場合があります。 このサイトは、そのときの旬ネタで多少動きを見せるときがありますが、ウェブデザイン関連のキーワードが多数を占めているので、悪くないかと思います。ひとつの参考資料としてウェブマスターツールは使えるのでぜひ試してみてください。 PS: 個人的にビックリしたのが、2年前の CSS Nite Okinawa でデモをした水産庁のページが異様に高い点。デモとはいっても、本物に近づけるためにまじめにコンテンツを書いたとはいえ驚きです。

About

東京在住の「デザインする人」長谷川恭久の個人サイトです。

2008年2月より、新しい CMS を利用して再スタートしました。以前の記事はこちらのエントリーリストを。そして、たくさんの方に読まれた人気記事が読みたい方ははてなブックマークの注目エントリーを参考にしてください。

Feedbacks
  • ヤスヒサ: @Toshiya ロゴデザインという意味で見ても Wikipedia のは様々な意味が含まれていて興味深いですし、世界=Web という関係性が上手に表現されているような気がします。そして、 コミュニティも...
  • Toshiya: 狭義の利用者に、でなく、Contributor にどういう Contribute をしてほしいのかの期待値をメタファを使って最大限に巧く示した 例として、Wikipedia があると思います。...
  • ぬくえ: こんにちわ。青森県出身の世田谷区在住のぬくえと申します。 是非、関東でも開催してください!!! web等々は全くの無知ですが、仲間と「地域活性化」を目指して います。 20年来の仲間が最近出会った人に思える事があります…...
  • CalmTech: ご回答ありがとうございました。 全体像の視覚化がわかりやすく、自分でも考えてみたいと思いまし た。 ユーザーの変化を促す要素のうち、特に人間味というのが納得でき ました。...
  • ヤスヒサ: @dtc-design イベントのハンドリングなどありがとうございました。講師に集中 出来たのも運営側のケアがあったからこそだと思います。ありがと うございました。 日本語という言語を共有していたとしても、同じ業界で働...