Keywordゲーム

ゲームから学ぶ「おもしろさ」と「ハマる」の秘密

2010年3月12日 9:39 am

おもしろいゲームには驚き、リスク、報酬、挑戦、発見という5つの要素が含まれています。それぞれのバランスをどう調整したり演出するかでおもしろさが決まってきます。

ゲームにもあるProgressive Enhancement

2009年11月18日 1:43 pm

Progressive Enhancementは、Web サイト制作の取り組み方にも影響する重要なトピック。Web 特有の考え方だと思われるかもしれませんが、ゲームの世界では随分前から Progressive Enhancement をゲーム開発の一部として取り組まれています。 左が画質設定が最高の画面影の中のディテールが鮮明だけでなく光の反射も繊細 上の画像は「Crysis」というファーストパーソン・シューティングゲームのものです。同じゲームですが、少しだけ違う見た目を提供しています。ユーザーが影やテキスチャの質を自由に調整することが出来るので、環境により違う見た目になっています。素晴らしいグラフィックが特徴の Crysis ですが、こうしたハイスペックのゲームを古いパソコンで遊ぶとフレームレートが激減し、肝心のゲームが遊べなくなってしまいます。もちろん、開発側は最高の環境で遊んで欲しいことを願っていますが、それをユーザーに強制することは出来ません。そこで古いパソコンでも Crysis のコンテンツが楽しめるように画質のカスタマイズ機能があるわけです。見た目はもちろん重要ですが、誰でもコンテンツに触れることが出来、快適なゲーム体験を提供するための工夫といえます。 PCゲームのような詳細な画質設定はありませんが、Playstaion 3 のようなコンソールにも Progressive Enhancement があります。最近のゲームはすべてデジタルオーディオとビデオで開発がされてます。HDMI端子がある TV に接続すれば最高の画質と音質を楽しむことが出来ますが、HDMI端子がないテレビでもゲームは楽しむことが出来ます。また、Playstaion 3 と XBOX 360 には描画解像度は低いままで出力解像度を上げる「アップスケール機能」が実装されており、モニターの解像度に最適な大きさに自動的に拡大出来るようになっています。HDMI端子があるテレビしか対応していない機能ですが、良いデバイスには可能な限りよい体験を提供するためのアプローチといえます。 Webサイト制作と同様、ゲーム開発もただ単に作りさえすれば Progressive Enhancement になるわけではありません。テキスチャの圧縮方法や構成の工夫に細心の注意を払っているからこそはじめて実現することが出来ます。どんなにグラフィックが素晴らしくなってもゲームで最も重要なのはゲームプレイ(体験)です。そして、体験を高いプライオリティに置いているからこそ、それを提供するために多少の画質/音質を調整することは当然と考えているのがゲームの世界なのでしょう。Web サイトにおける Progressive Enhancement がよく分からない、意味があるか分からないと考えている方はゲームをはじめ他の世界を見ると良い発見があると思います。

ウェブブラウザとオンラインゲームの今後

2009年5月7日 9:13 pm

数年前からオフィス系のソフトウェアは次々とWebブラウザ上で扱えるようになってきましたが、ゲームも似たような状況になりつつあります。Flashゲームのような小さなゲームは以前からブラウザで遊べましたが、MMORPGのようなスケールの大きいゲームもブラウザへ移行しつつあります。ユーザー数が多いゲームで有名なのが RuneScape。サービスが立ち上がった 2001年当初はポリコンそのままのグラフィックでしたが、今では高画質でフルスクリーン表示も可能です。アクティブユーザーは何人か分かりませんが、850万アカウントあると言われています。 ブラウザベースの MMORPG は他にも Free Realms があります。どちらかというとコミュニティサイトですが、Club Penguin もオンラインゲームといえます。いずれもコンソールゲームに見られるような美しいグラフィックでもなければ、PCゲームのようなスケールのゲームデザインではありません。しかし、年々質が向上しているのは確かですし、カジュアルゲーミングには丁度良いゲーム環境を今のテクノロジーは提供しているのではないでしょうか。 従来、オンラインゲームといえば終わりもないから延々に続いて気が遠くなるというイメージが先行していましたが、20〜30分遊ぶだけでも十分楽しめるような仕組みがあるゲームは少なくありません。ブラウザベースのオンラインゲームはカジュアルゲーミングに新たな可能性を示すと思います。最近のゲームコンソールはウェブブラウザを実装していますが、ウェブサイトを表示させるソフトウェアという位置づけになっているのが現状です。そうではなく、ゲームを遊ぶための入り口という位置づけでブラウザを実装したゲームコンソールが現れたらおもしろそうです。プラットフォームに依存しないとはいえ、今はパソコンに依存しているブラウザベースのオンラインゲームも様々な方に遊んでもらえるチャンスが増えます。 ブラウザを利用したオンラインゲームとは別に、今までのゲームをブラウザから遊ぼうという試みもあります。OnLiveは、独自のストリーム技術を利用してロースペックのパソコンでも最新のゲームを楽しめるそうです。専用機器を取り付ける必要があるみたいですが、コンソールゲームだけでなく、パソコンのオンラインゲームもゲームクライアントなしで遊ぶことが出来るそうです。実際動作しているのを見ていないので何とも言えませんが、これが事実なら遊び方がまた変わりそう(今冬にベータテストが開始されるそうです)。 すべてのゲームをブラウザで遊べるようにするのは、まだ難しいと思いますし、ゲームによっては異なるコントロールを必要とする場合があるので、なかなかワンゲーム・オールデバイスというのは難しいと思います(逆にそこまで統一するとゲームの遊び方の幅も狭まりそうですしね)。デバイスの長所を活かしたゲームが今後どんどん出てくると思いますが、今回紹介したようなより多くの方に遊んでもらうゲームも登場してきています。その入り口としてWebブラウザが筆頭となっているのでしょう。

3D世界もWebKit採用へ

2009年1月19日 6:11 pm

Qtは、クロスプラットフォームで動作するアプリケーション開発を目的としたフレームワーク。開発と GUI デザインをワンストップで行えるメリットもあるので、様々なデバイスやアプリケーションで Qt が採用されています。代表的な例だと Google Earth でしょう。 様々なライブラリも用意されているわけですが、その中で注目なのが QtWebKit (日本語) というモジュール。Qtで開発されたアプリケーションの中に Webブラウザを埋め込むことが出来るようになります。 Qt は以前から GPL ライセンスとして配布されていたのですが、最近 LGPLライセンスが加わりました。もちろん GPL でも商用利用は可能ですが、よりフレキシブルなライセンシングと再配布が可能になります。これによりさらに積極的な Qt 開発も進むのではないかと考えられます。 今回のライセンスの変更により開発が活発化してきているのが Second Life。以前から Mozilla ベースのウェブブラウザを Second Life 内で利用出来たわけですが、これを WebKit に変更する可能性があるみたいです。実際 Second Life Wiki の WebKit worklist を見ると具体的に開発が進められているのが分かります。WebKit の採用にあたり、モバイル向けの WebKit ブラウザを配布している Torch Mobile と共同開発しているみたいです。 様々なデバイスやソフトウェアが WebKit を採用し初めていますが、3D世界でも WebKit がデファクトとして広まるのかもしれません。単に Second Life が採用したから広まる・・・という意味ではなく WebKit のポテンシャルをみただけでもその可能性は高いです。3Dの描画が可能な CSS Transforms、タイムラインベースのアニメーションを可能にするCSS Animation、そしてSVGサポートのことを考えると 3D 世界で見るウェブ体験をおもしろくする材料が揃っています。 WebKit に限った話ではないですが、見た目を同じにすることの努力ではなく、使われているデバイスやソフトウェアの体験を最大限に引き出すためのウェブサイトの見せ方を追求していきたいですね。それぞれのブラウザの共通で使える『最大公約』属性だけでなく、独自で使える属性にもしっかり注目していきたいですね。

GiantBombが提案するWikiとニュースの良い関係

2009年1月17日 5:11 pm

Wikiはポテンシャルがあるシステムではありますが、あまり好例がないのが現状です。様々な情報をインプット出来るという意味で、特にニュースサイトで使える可能性があると思います。以前「使えそうなニュース特集ページを考えてみました」で、ニュース記事に Wiki を付随することで、専門用語の解説や他のイベントとの関連性を読み取ることが出来るのではと提案したことがあります。Wiki とジャーナリズムが組合わさっている例としてウィキニュースがありますが、最近見つけた GiantBomb はひとつおもしろい試みを行っています。 最近日本でも発売された Fallout 3 に関する紹介ページをご覧になると他のゲームニュースサイトと少し違うのが分かります。ゲームのレビューは GameBomb 編集者によって書かれた記事が大きく掲載されていますが、ゲームの概要はすべて Wiki ベースになっています。ユーザーは ゲーム情報にさらに詳細を書き加えることが出来るだけでなく、独自の攻略ガイド を作って公開することも可能です。ガイドへのコメントもセクションごとに書き込むことが出来るコラボレーションスペースになっています。Wikiの強みと編集側が配信する情報の強みがバランスよく表現されているサイトではないでしょうか。 ゲームだけでなく、こうした趣味の世界は多くの集合知を集めやすいのかもしれません。例えばWikiaは、『趣味の Wikipedia』といえるネットワークサイト。様々な分野の百科事典が存在しており、マニアックな路線ですが、情報コミュニティが確立されています。Star Wars だと 6万以上の記事が投稿されており、Wikipedia より豊富かつディープな情報を得ることが出来ます。こうした Wiki のもつポテンシャルを、ニュース記事の付加価値としてどう味付けするのかも、これからの情報サイトが考えて行かなければならないひとつの課題といえるでしょう。

About

東京在住の「デザインする人」長谷川恭久の個人サイトです。

2008年2月より、新しい CMS を利用して再スタートしました。以前の記事はこちらのエントリーリストを。そして、たくさんの方に読まれた人気記事が読みたい方ははてなブックマークの注目エントリーを参考にしてください。

Feedbacks
  • 百十番: >その価値をいかにマネタイズするのかが今後の課題ですが 、 この話は、もう10年以上語られていますが今だに巧妙は見えず、 ジャーナリズムの衰退には逆に拍車が掛かっていると思います。 >硬派な分野では...
  • ヤスヒサ: @techforlearning 教育とソーシャルメディアの相性は良さそうですね。日本ではブー ムがすっかり去ってしまった Second Life ですが、海外では遠く離れた学校間のコミュニケーションの場とし て...
  • techforlearning: こんにちは。いつもYasuhisaさんの示唆に満ちたエントリ 、勉強になっています。私は学校サイトの運営をしていることから 、WebsaYoutube, Twitter, Facebook,...
  • just a reader: 元ネタからこのような意図でこのように改変します。というこの記 事そのものがよいレクチャーとなる記事です。できあがった結果よ りも、このように直すこともできますよという思考プロセス...
  • ヤスヒサ: @CalmTech プレゼンといってもスライドと喋りでワンセットなので、いろいろ な見せ方があると思いますし、今回紹介したのもそのうちのひとつ に過ぎないと思います。CalmTechさんが提案してい...