Laws of Simplicity

2008年2月11日 1:24 pm

4.5 out of 5

MIT Media Lab に所属し、現在 Rhode Island School of Design の学長である John Maeda。 今も日本をはじめ世界各地を飛び回りながらアイデアや作品をブログを通して発表したりしています。そんな彼が 2006年に出版した「The Laws of Simplicity」は、彼の作品のテーマにもなっている『シンプル』をテーマに、デザインやアートだけでなく、人生そのものについても書かれている興味深い本です。シンプルには 10つの『法則』があり、彼の経験に基づいてひとつひとつ説明がされています。

本そのものもわずか 100ページほどとシンプルに構成されており、ひとつの法則の説明に数ページしかなく、興味のある法則だけ読むといったことも出来そうです。彼のスピーチや話し言葉を聞いたことがある方なら分かるかもしれませんが、文章も彼が話しかけているような軽くてジョークもところどころにあるので読み疲れることもありません。

個人的にあまり『法則』というものが好きではないのですが、彼のいう法則は押し付けがましいものでもなく、すんなり入って来るものでした。省くことや整理したりすることでシンプルを生み出すだけでなく、時間や信頼といった感覚的なところにもシンプルが隠れていると彼は説いています。逆に加えることがシンプルに繋がることもあったり、まるで禅問答みたいにも聞こえてきますが、10の法則を通してみていくと「なるほどねぇ」と納得してしまいます。

Simplicity is about having life with more enjoyment and less pain. (シンプルとは楽しみが多く苦痛が少ない生活を送ることである)

デザインを考えるときにシンプルという言葉をもう一度見直す良いきっかけを与えてくれた書籍ではありましたが、僕の中ではそれ以上のインスピレーションがありました。毎日の生活は複雑にみえるようなことばかりですし、それがストレスになってしまうこともあるでしょう。では、そういった情況をいかに改善していくのか、どのようにしたら自分でもっと楽しめるようになるのか、そのヒントが『シンプル』という言葉に隠されているような気がします。

コメント

  1. mobilebmx Says:

    僕も、つい一か月ほど前に読みました。ええ本ですね。なかでも、
    “You’ll see more, by seeing less.”(21) 
    いやぁ深いですね。

  2. ヤスヒサ Says:

    @mobilebmxさん

    Nothing is particularly hard って良いですね。
    あの本、ひとつひとつ良い言葉を抜き出すと禅問答のように聞こえて来るんですけど、彼の文体が軽いから嫌味がないですし、彼の人生経験を語りながらだから分かりやすいなという印象があります。

コメントを書く

About

東京在住の「デザインする人」長谷川恭久の個人サイトです。

2008年2月より、新しい CMS を利用して再スタートしました。以前の記事はこちらのエントリーリストを。そして、たくさんの方に読まれた人気記事が読みたい方ははてなブックマークの注目エントリーを参考にしてください。

Feedbacks
  • ヤスヒサ: @Toshiya ロゴデザインという意味で見ても Wikipedia のは様々な意味が含まれていて興味深いですし、世界=Web という関係性が上手に表現されているような気がします。そして、 コミュニティも...
  • Toshiya: 狭義の利用者に、でなく、Contributor にどういう Contribute をしてほしいのかの期待値をメタファを使って最大限に巧く示した 例として、Wikipedia があると思います。...
  • ぬくえ: こんにちわ。青森県出身の世田谷区在住のぬくえと申します。 是非、関東でも開催してください!!! web等々は全くの無知ですが、仲間と「地域活性化」を目指して います。 20年来の仲間が最近出会った人に思える事があります…...
  • CalmTech: ご回答ありがとうございました。 全体像の視覚化がわかりやすく、自分でも考えてみたいと思いまし た。 ユーザーの変化を促す要素のうち、特に人間味というのが納得でき ました。...
  • ヤスヒサ: @dtc-design イベントのハンドリングなどありがとうございました。講師に集中 出来たのも運営側のケアがあったからこそだと思います。ありがと うございました。 日本語という言語を共有していたとしても、同じ業界で働...