パソコンを使いこなすヒトは UNIX のようなコマンドラインでファイルを操作して、Emacsで編集を行っているというイメージがあります。コマンドラインを選んでいる理由はやはり「早いから」だそうですね。さすがに僕は UNIX のコマンドを使って操作するということはしていませんが、Quicksilverのようなコマンドラインベースのインターフェイスは欠かせないものになっていますし、使っている理由も同じく早いからです。Web上にある情報は検索をして探し出すわけですが、これも一種のコマンドラインですよね。以前は Yahoo! ディレクトリのようなリンク集から見つけ出すという方法でしたが、見つけたい言葉を書いて見つけ出した方がはるかに早いですからね。今やアイコンのようなグラフィカルな要素を盛り込んで、パソコンを操作するのは当たり前になっているわけですが、素早く操作をしたり欲しい情報を探し出したいときはコマンドラインのほうが有効なんですよね。80年代にキャノン・キャットというパソコンが開発されたのですが、この操作方法は GUI 経由ではなくコマンドラインにも似た独自のテキストインターフェイスとショートカットのようなキーボードの組み合わせだったそうです(マニュアルはこちら)。当時の Mac に比べるとキャノン・キャットは50倍も早く操作出来たというから相当のものですね。
興味深いのがキャノン・キャットを開発したのがジェフ・ラスキンという方で、マッキントッシュの GUI を作った人として知られています。また、ヒューメイン・インタフェース: 人に優しいシステムへの新たな指針という書籍も有名ですね。早い時期から GUI より優れたインターフェイスが存在すると考えていたみたいですね。
書籍では現在でもよく使われているインターフェイスの解説と問題点だけではく、将来的に可能性のあるインターフェイスの紹介もされているそうです。その中に以前紹介した Zoom User Interfaceも紹介されています。ZUI のコンセプトは後にラスキン氏のプロジェクトのひとつであるArchyに受け継がれ、採用されています。コマンドラインとズームインターフェイスを組み合わせたもので興味深いですね。
コマンドラインというと、上級者向けのテクニックというイメージがしますが、それも次第に変わるのかもしれませんし、ユーザーにより良いインターフェイスを提供する方法は実はグラフィカルなものではなくコマンドラインのようなものかもしれませんね。