Podcast No.29のオマケみたいな形でWebデザインに関するプレゼンをしたEnhanced Podcastを公開しましたが、そこで技術やテクニックが先立ってしまっているWebサイト構築に対する懸念を少し話しました。技術はWebサイト構築にとって重要な部分だと思いますし、実際高い技術がないと作れないという場合が多いと思います。とはいうものの、技術や機能面だけど全面に押し出したサイトでは最初インパクトがあったとしても長く使ってもらえないケースが多くなるのではないかと思います。例えば携帯電話とかそうではないでしょうか。様々な機能や最新テクノロジーを盛り込んだとしてもそれらをフルに活用しているのはほんのわずかです。多くの人は自分が今知っている/使っている機能で満足しているわけです。つまり、テクノロジーで差別化してもあまり大きな効果が得難くなってきたということでしょうか。それゆえ最近はデザイン面にシフトし始めているのだと思います。Webも遅かれ早かれケイタイと似たような現象が起こるでしょうし(個人的には今既にそうだと思っていますが)、テクノロジーや『クールな機能』を全面に押し出すのではなく、使ってほしい人たちのことを考えて使っているときに楽しい、便利だと感情的な部分に語りかけれるデザインがこれからさらに必要になってくるのではないかと思いますね。
これってつまり単にインパクトがあるビジュアルを作ればそれで良いってわけではないですよね。心理学とか社会学とか・・・そういったところの関連性も注目してデザインって必要なのかなと改めて思ったり。
AXIS No.115でインクルーシブデザインという万人に受け入れられるデザインというより、より多くの人たちを包括するようなデザインをしようという概念が紹介されていました。フォーカスブループや実際使うであろう人たちと一緒に作り上げることによりデザイナーも視野を広げつつ良いものを作り上げるポテンシャルを上げるものです。こちらも技術や機能ではなく、人を中心にしたモノ作りの考え方のひとつの形なのかもしれません。イギリスでは実際インクルーシブデザインを実践しているエージェンシーも増えているみたいですが、ゆとりと長期的なビジョンがないとなかなか出来ないですよね。憧れる形ではありますが。
モノがあふれていて、莫大な金額を支払わなくても便利なものが手に入れられる時代。そういった時代だからこそ、便利だけでなく個人的な繋がりを感じるモノによりひかれるような気がします。『ユーザー中心のサイト構築』なんて固い言葉じゃなくてヒトの求めているもの、感じてほしいものをじっくり見つめることが必要なんじゃないかなと思います。
【参考】Business Week: Mapping Emotions