Black or White?

写真最近聞いているCDは幾つかあるけど、その中で一番ユニークなアルバムといえばJay-ZのGrey Albumだろうね。このアルバムはもちろんDJが作ったリミックスアルバムなわけだけど、コンセプトがおもしろい。Jay-Zの最後のアルバムである『Black Album』のMCとBeatlesの名作『White Album』のトラックを融合させて作られた架空のコラボアルバム。これがかなり良い(・∀・) 厳しく批評すれば普通のラップアルバムという印象がある『Black Album』ですが、Beatlesサウンドが加わったことですごく斬新で興味深いアルバムに変わってしまいましたね。まったく違う時代に作られた事なるジャンルのアルバムなのにもかかわらずメチャ良いっすよ。
で、これは半月前くらいからネットで出回っていて、当然のごとくレコード会社は著作権侵害だというわけで大騒ぎしております。
CNN.com:Jay-Z, Beatles album: An unauthorized Web hit

Jay-Zが所属しているレコード会社であるDefJam/Roc-a-fellaのほうは昨年末にJay-ZのMCだけ収録されているBlack Albumのアカペラ版をリリースしています。こういったムーブメントを狙っていたのかどうかは定かではないですが、Roc-a-fella側はこういった動きに対してコメントを控えているみたいですね。それに対しEMIのほうはDJをはじめダウンロードをさせた人に対して告訴するとか言っているみたいですね。えらい姿勢が違う。そして、この告訴に果たして意味があるのか思ってしまう。日本の音楽業界もそうだけど、アメリカもまだまだ今のインターネットの動きに柔軟に対応しきれていないような気がします。こういうリミックスアルバムが本当に違法なのか法律を知っていないと断言出来ないと思いますが、個人で楽しむ程度のものに対して違法!違法!と唱えるのはどうかと思いますね。だいたい今回の一連の動きでJay-Zに興味をもってなかった人も彼を聞き始めたと思うし、Beatlesのスゴさを再認識した人も多いと思うわけなんですよね。長い目でみたら『ファンが増える』という意味でこれはレコード会社にとってプラスになると思うのですが・・・。しかもこういう『リミックス→配布』というのは20年前からカセットテープという形で行われたと思うし、それがインターネットという形になっただけで騒ぎ出すのはどうかと思いますね。

EMIの一連の動きに対して、ネットも黙っていないというところもまたおもしろい。『Grey Album』の出現でたくさんのDJ/クリエーター達が『Black Album』のリミックスを公開し始めていますね。最近だとMetallicaの『Black Album』とリミックスした『Double Black Album』なんてのも出ています。さらに『Black Album』のリミックスに必要な素材やリミックスアルバムが収録されているJay-Z Construction Setなんてのも登場しています。Jay-Zさんは引退しても大変有名ですな。

こういうのも新しいモデルだと思いますね。ネットを使ったら今回のように自分の作品も広められるし、元の作品の認知度や作品そのものの可能性が今までにない形で広がっているように感じるからです。著作権なんてどうでも良いとは思いませんし守られるべきだと思いますが、レコード会社さんも著作権と叫ぶ前にこういった大きな動きを見ていられるくらいの懐の深さも欲しいものです。
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