Q&A デザインへの課題や不満をどう捉えますか?

「ユーザー目線」という言葉を頻繁に耳にするようになりましたが、エンドユーザーのことばかり語っていて、一緒に働く周りの人たちの目線が抜けていることがあります。

デザインが理解されない、という問題点と、デザイナーの存在価値を認めてもらえない、という不満を混在させると厄介なのかな、と感じているのですが、それら二つはやっぱりイコールでつながるものでしょうか。

匿名

同じ言葉 != 同じ意味

「デザインはビジネスに貢献する重要なポジションになってきている」

デザイナーとそれ以外の方でこの言葉の受け取り方が異なります。私たちデザイナーであれば、重要な存在になることで本来すべき理想的な工程と成果物が作れるようになると考えるでしょう。しかし、その考え方はデザイナー視点であって、他の役職の方が同じように捉えているわけではありません。デザインというものを『導入』すれば儲かるから重要なポジションだと捉えている人もいます。

同じ言葉でもまったく違う捉え方ができるわけですから、誤解も生じます。「デザインは重要」と言われているからといって、デザイナーが想像する重要な存在になったときの世界とは異なります。理想と現実とのギャップが「理解されない」「存在価値を認めてもらえない」という不満に繋がるのではないかと考えています。

デザイナーに対して「デザインは重要」と伝えるのは簡単です。

話すほうも、聞くほうも「デザイン」という言葉の意味合いを共有していますし、理想としている仕事の仕方も似ています。同業者であればエモーショナルな部分、言語化が難しいニュアンスを「デザインは重要」という言葉に詰め込んで伝えることができます。しかし、それは同業者に向けてできる楽な方法であって、同じ感覚で周りに伝えようとしても誤解が生じるだけでなく、お互いの関係を遠ざけてしまう恐れもあります。

『売り方』を考える

全国で開催している「デザインの伝え方ワークショップ 」は、デザイナー視点のデザインの価値をどう伝えるのかという内容ではなく、相手の立場を理解した『売り方』を学ぶ場にしています。「ユーザー目線」という言葉を頻繁に耳にするようになりましたが、エンドユーザーのことばかり語っていて、一緒に働く周りの人たちの目線が抜けていることがあります。

デザインだけではないですが、何かを『売る』ときは以下のことを考える必要があります。

  • 自分ではなく相手が主役になれるように提案する
  • 自分がやりたいことの前に相手ができることを考える
  • 相手の仕事へのモチベーションを理解する
  • 正論だけでなく、不条理なところも考慮する

デザイナー視点で「ユーザーインタビューをしましょう」と提案しても、作りやすくなるというデザイナー都合の提案にしか聞こえないかもしれません。また、聞き手もユーザーメリットがあると頭では理解していても、自分にとってプラスになることがないとなかなか動いてくれない場合があります。正しいコトを正しく説明すれば伝わるのではなく、相手の立場や視点を考慮した工夫が必要です。

質問にある、デザインが理解されないという問題点と、デザイナーの存在価値を認めてもらえないという不満は、イコールで繋がるものだと思います。周りが理解していない可能性も十分にありますが、私たちの『デザインの売り方』も改善余地があります。

質問を募集しています

デザインのこと、コンテンツのこと、ツールのこと … などなど質問を募集しています。投稿していただいた質問は、こうした記事にして詳しい解説をしています。Web デザイナー、UI デザイナーと言っても働き方は多種多様なので、「一般論」ではないピンポイントな回答を提供できればと思います。

筆者について

Photo of Yasuhisa Hasegawa

組織の一員となるスタイルで一緒にデザインに関わる課題を解決するといった仕事をするなど、チームでデザインに取り組むためのお手伝いをしています。各地でデザインに関わる様々なトピックで講師をしています。

閉じる 共有する

記事はお楽しみいただけましたか?役に立つ情報でしたか?ぜひ他の場所で共有してみてください。