プロトタイピングの基礎の基礎

Effective Prototypingまだ海外でしかみられない動きですが、有料のセミナーでもオンラインで映像か音声データを無料で入手出来るようになりました。セミナーで発表される情報に値段が付けられているのではなく、同じような考えを持っている方達が集まることで生まれる雰囲気と独特のエネルギーのための金額になっているのでしょうね。大きなイベントであればあるほどいえることですし、結果的に宣伝活動やネットワーク作りにもなると思います。日本でも体験に値段を払うという考えがもっと一般的になってくれると良いですね。

今年に入ってそんな無料で見れる貴重な資料が膨大に出てきたので、消化するのが大変ですが、デザイン関連のネタを中心に幾つか観覧しています。特に2008年2月に開催された Interaction 08 は素晴らしいです。

先日見たビデオは「Effective Prototyping for Software Makers」の著者として知られている Jonathan Arnowitzさんが、Interaction 08 で行った「Effective Prototyping Methods」というセッション。プロトタイピングの基本的な概念の話しでしたが、再確認にもなり大変勉強になりました。

  • 90% スケッチから始めて 90% プロトタイピングで終わる
  • プロトタイプは開発携わる方なら誰でも出来る
  • 誰でもプロトタイピングは出来るがリーダーシップは必要
  • プロトタイピングはデザインではなくコミュニケーション
  • 最初から明確なビジョンの元でプロトタイピングをしない
  • デザインプロセスの透明化のためにプロトタイプがある
  • プロトタイプの意味を開発メンバーで共有すること
  • 自分が一番よく知っているツールを使う
  • プロタイプが使いやすさを保証する
  • 要求項目を明確にすることが出来る

PowerPoint とかで企画書やスライドを作る場合でも起こる現象かもしれませんが、プロトタイプを作ることが目的になってしまってはいけませんね。あくまでコミュニケーションツールとしてプロトタイプがあることを常に意識する必要があるでしょう。

Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。