肥大化するコンテンツ市場で生き残るための対処法

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コンテンツ配信はパンク状態

「良いコンテンツを配信していきましょう。」
「利用者が必要なのはコンテンツです」

正論ではありますが、難しい課題ですし、ひとつの限界が見えてきています。

良いコンテンツを作ることは言うほど簡単なことではありませんし、配信し続けるとなると至難の業です。質の高いコンテンツを作り続けることができたとしても、それが多くの方へ届くとは限りません。コンテンツを配信していくことが重要視されているものの、日々数万、数億の情報が人々のデバイスに向けて配信されている時代です。

随分昔はブロガー全員をリンク集に並べることができました。そのときはちょっとしたコンテンツでも多くの方に見られましたが、今はそうはいきません。

多くの情報の中から自分たちのコンテンツを見てもらうには、配信戦略を練るのはもちろんですが、コンテンツの質をさらに上げていかなければならなくなります。情報の流れも速いわけですから、せっかく作ったコンテンツも数時間後には忘れ去られてしまう可能性もあります。質が良いから見られる…というほど簡単ではありません。

「利用者が必要なのはコンテンツ」ですが、激しさが増す『ノイズ』の中から自分たちのコンテンツを見てもらうのは簡単なことではありません。数年前と同じような効果をコンテンツ配信で得るには、当時よりコストをかける必要がでてきます。受け取り側(顧客)のほうは満腹状態で、自動フィルタをかけて限られた情報をみるようになっています(例えば グノシー とか SmartNewsですね)。

コンテンツ制作のコストが上がり続けるなか、人はコンテンツを受信する量を狭めている現在。コンテンツが増えても時間が増えるわけではないので、当然の結果といえるでしょう。情報発信者側と受け取り側との距離は短くなってきてるものの、繋がるためのパイプラインはとても小さいです。そんな細いパイクプラインに膨大の情報が入り込もうとしているわけです。

Red Bull の YouTube チャンネル

2 年前に 4 万メートル上空からの大ジャンプで話題になった Red Bull のキャンペーンですが、この後に続くビックコンテンツを作るのは至難の業。高予算のビデオが目白押しですが、2 年以上前のものがほとんど。
コンテンツ制作のコストと反響、そして持続することは簡単なことではありません。

どのように届けるか考える

コンテンツ市場は今後さらに肥大していきますが、消費者の数や消費時間が劇的に増えるわけはありません。コンテンツ制作・配信がますます難しくなっていくわけですが、何もしないわけにはいきません。今まで以上にニッチな市場を見つけて、そこに目掛けてコンテンツを頻繁に出していくのも手段ですが、他にもできることがあります。

1. コンテンツの再配信

常に新しいコンテンツを作り続ける必要はありません。作り続けるにはコストがかかるだけでなく、管理も次第に複雑になります。利用者は新しいコンテンツだけでなく、そのとき必要なコンテンツも求めています。今まで作り続けていたコンテンツも「前に出したから」という理由だけで再配信を諦めることはありません。

World Wide Web 25 周年が話題になったので、関連する 1 年半前の記事を紹介。
古い記事ですが、タイミングを見極めることで話題になることがあります。

2. パートナーシップ

自社ブランド、ターゲットにしている顧客層とマッチする媒体を通してコンテンツ配信をすることができます。最近はネイティブ広告が話題になっていますが、今まで配信していないかった経路からコンテンツを出していくことで、新しい接点を生み出せるかもしれません。

3. さらに小さく配信する

コンテンツを小さくして様々な場へ配信できるように設計することができます。マルチデバイス化が進むからこそ小さくパッケージングする必要がありますが、消費しやすい小さいコンテンツのほうが好まれることがあります。Us Vs Th3m のようにソーシャルメディアで共有しやすいマイクロコンテンツにフォーカスしたサイトも幾つか出てきています。

4. 人との繋がりを深める

モノを購入するキッカケが友人や家族ということが多いのと同じように、コンテンツとの出会いは人からということがあります。これは個人ブログだけなく、企業やメディアのコンテンツ配信にも言えることではないでしょうか。これは単にフォロワーや Like を増やすだけではありませんし、自分の都合だけでコンテンツ配信をしても消費者との関係は発展しません。

私は Twitter や Facebook グループで自分のコンテンツとは別のものを頻繁に配信していますが、これも「この人は良い情報を出している」という信頼を得るための行為です。信頼関係が作られることで、はじめて自分のコンテンツにも興味をもってくれるのではと考えています。コンテンツ配信という行為も「マス」ではなく、「個」を起点に考えることで、膨大な情報から突き抜けて人の手へ届くはずです。


実はもうひとつ対処法がありますが、それは次回までのお楽しみ。

Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。