効果的なウェブサイトに対する意識のギャップ

「効果的なウェブサイトって?」というのは単純な質問ではあるものの、視点や役割によって意見が違いそうです。この抽象的な質問に関してレポートにまとめている文書を見つけました。オンラインラーニングやウェブ上のクリエイティビティの推進のために様々な活動をしている NPO 団体 IDEAFactors that improve online experience というレポートをまとめています。NPO, ウェブサイト制作会社, 利用者の3つのブループに分けて「効果的なウェブサイトの要素は何か」という質問に応えてもらったそうです。詳しい調査結果と解説が書かれた PDF も同ページでダウンロードすることが出来ます。

作る側と利用者とのギャップというのは未だにあるみたいですね。今回の調査で大きく分けて 8 つの特徴が見つかったみたいなので以下にまとめておきます。自分も改めて意識しなければならないなと思ったのが幾つかありました。気を引き締めないと。

デザイナーは効果的なサイトの基準が低い
利用者が情報を見つけやすいことを効果的とみる場合があるが、デザイナーの間ではその意識が低いことが判明しているそうです。ページひとつひとつではなく、サイト全体をどうデザインするかに注目する必要がありそうです
必要な情報へ簡単にアクセス出来ることは、利用者の喜びにつながる
3つのグループで共通した認識のようです。特に NPO や利用者でこうした意識が高いようです
ビジュアルデザインと最新情報の掲載は最重要
80% の NPO とデザイナーはビジュアルデザインが重要と考えているのに対し、利用者は 50% とやや低め。最新情報に関してはデザイナーは 60% と少し低くなりますが、重要であるという意識はどのグループもあります
利用者は情報を早く欲しがる
シンプルで正確でかつ早く情報を必要としています。ブロードバンド時代とはいえ、軽量で早く表示されるページが好まれる傾向にあります
訪問者は幅広いトピックを欲しがる
たくさんのトピックを扱うだけでなく、関連情報やレコメンドを表示するのも効果的。外部サイトへのリンクも考慮する必要はあるようです
デザイナーは利用者の方向感覚に対して楽観視し過ぎ
今観覧しているページが、サイト全体でどの辺に位置し、どうアクセスすれば関連ページにアクセス出来るのかといった方向感覚はデザイナーが思っているほど訪問者はないそうです。サイトの中で迷子になってしまう利用者もまだまだたくさんいます
人の手を借りたい利用者もいる
70% の NPO や利用者は、助けてくれる人がいたら一緒にサイトを利用したいと考えているそうです。サイトマップとは違ったガイドなど、アシストする方法を増やしたほうが良いかもしれません
欲しい情報と見つけた情報のギャップはある
せっかく苦労して見つけた情報も本当に欲しい情報ではない場合も少なくないようです。情報の幅と深さを理解して、サイトは情報を提示する必要があります
Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。